今回のお悩み:仕事をしながらの介護に限界があるため、おすすめなサービスを教えてほしい
今回届いたお悩みはこちらです。
一人暮らしをしている70代の父は、徐々に体も動かしにくくなり、自分一人では なかなか生活していけない状況です。
私もできるだけ 父のもとへ通うようにしているのですが、住んでいる場所が遠いことや 仕事が忙しいこともあり、私にできることには限りがあり困っています。
仕事をしながら介護をする私のような者におすすめなサービスがありましたら、教えていただきたいです。
( 40代女性 )
遠距離で暮らしている親が高齢になるにつれて、心配事が増えてくる方は多いでしょう。
特に、仕事をしながら家族を介護するビジネスケアラーには、今回の相談者さんのように 介護に十分な時間を割くことができず、困っている方が多いのではないでしょうか。
しかし、そんな不安や心配事を払拭してくれるツールやサービスが近年、増えてきています。
ビジネスケアラーのために 高齢の親の介護を支援してくれるサービスにはどのようなものがあるのか、今回も3人の専門家をお呼びして それぞれの見解をお聞きしました。
① 介護支援専門員 知念さん(55)の視点:介護保険サービスの有効活用

公的サービスを最大限に活用する重要性
まず最初にお伝えしたいのは、ビジネスケアラーの皆さんにとって最も強力な味方となるのは、介護保険サービスだということです。
日本の介護保険制度は、65歳以上の方であれば誰でも利用できる制度です。
最大のメリットは、専門家に無料で相談でき、介護認定を受けた場合には費用の一割負担(所得によっては二割または三割)でサービスを受けられる点です。
例えば、民間の訪問サービスですと一時間あたり3,000円から4,000円かかることが多いのですが、介護保険を使えば300円~400円という破格の料金でプロのヘルパーに来てもらうことができます。
これは、仕事をしながら介護をするビジネスケアラーにとって、非常に大きな支援となるでしょう。
公的支援へのアクセス方法
お父様のような状況で介護サービスを検討する場合、まず最初に地域包括支援センターに相談されることをお勧めします。
「父の体が動かしにくくなってきたので、どのような支援が受けられるか知りたい」といった相談をすれば、介護保険の申請方法から利用できるサービスの種類まで、丁寧に説明してくれます。
介護保険で受けられる主なサービス
介護認定を受けると、要介護度に応じて様々なサービスを利用できるようになります。
主なものとしては以下のようなサービスがあります。
- 訪問介護(ホームヘルプサービス)
ヘルパーがご自宅を訪問し、身体介護や生活援助を行います。身体介護には入浴、排泄、食事の介助などが含まれ、生活援助には掃除、洗濯、買い物、調理などが含まれます。 - 訪問看護
看護師が自宅を訪問し、医療的なケアを行います。健康状態の確認や医療処置、医療機器の管理などを行い、医療と介護の架け橋となるサービスです。 - デイサービス(通所介護)
日中、施設に通って食事、入浴、レクリエーションなどのサービスを受けます。日中の見守りができ、社会的交流の機会にもなります。 - ショートステイ(短期入所生活介護)
数日から数週間、施設に短期入所して介護サービスを受けます。仕事で数日家を空ける場合などに便利です。
まずは介護保険で何ができるかを把握し、そのうえで必要に応じて民間サービスを組み合わせていくのが、効率的かつ経済的な介護の形だと思います。
使える制度はどんどん活用していただきたいと思います。
② 生活支援コンサルタント 高島さん(48)の視点:見守りサービスとスマート機器の活用

遠隔地からでも安心できる見守りサービス
遠距離介護の大きな悩みの一つが「今、親がどうしているのか分からない」という不安です。
この不安を解消するのに役立つのが、近年急速に進化している見守りサービスです。
まず代表的なものとして、ALSOK(アルソック)やSECOM(セコム)などの警備会社が提供している高齢者向け見守りサービスがあります。
これらのサービスでは、緊急通報装置を設置し、緊急時にボタンを押すだけで警備会社のオペレーターに繋がります。
必要に応じて警備スタッフが駆けつけたり、救急車の手配を行ったりしてくれるため、遠方に住んでいる家族も安心できます。
このようなサービスの魅力は、単なる緊急時の対応だけでなく、24時間健康相談ができる場合がある点です。
つまり、緊急事態が起きたときだけでなく、一人暮らしで不安を感じた時や誰かと話したい時にも活用できます。
お父様が一人で過ごす時間に不安を感じているなら、このような見守りサービスは大きな安心感をもたらすでしょう。
スマートディスプレイによる双方向コミュニケーション
さらに最近注目されているのが、「Amazon Echo Show」や「Google Nest Hub」などのスマートディスプレイです。
これらは音声で操作できるスマートスピーカーに画面が付いたもので、高齢者の見守りツールとして非常に優れています。
スマートディスプレイの大きな利点は以下の点です。
- 画面があることで双方向のコミュニケーションができる お互いの顔を見ながら会話できるため、表情や様子を確認しやすく、より親密なコミュニケーションが可能です。
- 常時電源が入っているため安定している スマートフォンのように電池切れの心配がなく、常に使用可能な状態を保てます。
- 声だけで操作できる 「アレクサ、〇〇に電話して」などの音声命令だけで通話ができるため、転倒して動けなくなった場合でも、声が出せれば助けを呼べます。
- 生活リズムの把握が可能 一部の機種では、家庭内の活動を検知する機能があり、普段と異なる動きがあった場合に家族に通知することもできます。
特に画面付きのスマートディスプレイは、テキストメッセージの送受信や写真の共有など、様々なコミュニケーション方法を提供してくれます。
お父様の技術的なスキルに合わせて、最適なデバイスを選ぶことが大切です。
これらのテクノロジーは、決して人間の温かみのあるケアに取って代わるものではありませんが、物理的な距離があっても安心感をもたらす強力なツールとなります。
③ 高齢者福祉サービスプランナー 飯塚さん(52)の視点:人材マッチングサービスの活用

多様化する人材マッチングサービス
近年、介護の世界でも様々なコンセプトを持った人材マッチングサービスが登場しています。
従来の家事代行サービスだけでなく、より特定のニーズに応えるサービスが増えており、これらをうまく活用することで、ビジネスケアラーの負担を大幅に軽減できます。
例えば、以下のようなユニークなサービスが人気を集めています。
- シニア世代のサポーター派遣サービス 「レンタルおじさん」のように、中高年の男性スタッフが比較的リーズナブルな価格で家の修繕や力仕事などを引き受けてくれるサービスがあります。同世代との会話も生まれやすく、高齢の男性にとっては話が合う相手として重宝されます。
- 主婦層による家庭的サポート 「東京かあさん」に代表されるような、子育て経験のある主婦層が提供する温かみのあるサービスもあります。食事の準備や掃除だけでなく、家庭的な雰囲気での見守りや話し相手になってくれるため、精神的なサポートも期待できます。
- 若い世代との交流サービス 「まごとも」のような、大学生が高齢者のお宅を訪問して交流するサービスも注目されています。単なる見守りだけでなく、世代間交流によって高齢者に新しい刺激や喜びをもたらし、生活に活力を与えてくれます。
小さな依頼に対応する短時間サービス
また、専門的な介護は必要ないものの、ちょっとした困りごとを解決してほしい場合に便利なのが、短時間対応型のサービスです。
例えば、電球交換や簡単な家具の移動、ゴミ出しなど、100円単位から依頼できる「ちょこっと家事代行」のようなサービスや、家電の設定や日常生活の小さなトラブルに対応してくれる「まごともサポート」などがあります。
これらのサービスの魅力は、介護ヘルパーには依頼しにくい雑多な作業や、専門業者を呼ぶほどではない小さな困りごとを解決してくれる点です。
ビジネスケアラーが週末にまとめて解決しようとしていた小さな作業を代行してくれるため、限られた訪問時間を、より質の高いコミュニケーションに使えるようになります。
サービス選びのポイント
これらのサービスを選ぶ際のポイントは、お父様の性格や好みに合ったサービスを選ぶことです。
例えば、おしゃべりが好きな方であれば、コミュニケーションを重視したサービスを、プライバシーを大切にする方であれば、必要最小限の支援を提供するサービスを選ぶといった具合です。
また、複数のサービスを組み合わせることで、より充実したサポート体制を構築できます。
例えば、平日の日中はデイサービス、帰宅後の夕食準備は家事代行サービス、週末の買い物は「まごとも」と一緒に といった形で、様々なサービスを活用するのが理想的です。
まとめ
今回は、仕事をしながら親の介護をするビジネスケアラーのためのサービスについて、3人の専門家の視点からご紹介しました。
介護保険サービスの有効活用、見守りサービスとスマート機器の導入、そして多様な人材マッチングサービスの活用について、それぞれの専門家から具体的なアドバイスをいただきました。
これらのサービスは互いに補完し合うものであり、お父様の状況や相談者さんの仕事環境に合わせて、最適な組み合わせを見つけることが大切です。
どれか一つだけを選ぶのではなく、複数のサービスを組み合わせることで、より包括的なケアが可能になります。
特に強調したいのは、まずは介護保険などの公的サービスから検討し、その上で民間サービスを上手に組み合わせていくという順序です。
この順序で進めることで、経済的な負担を最小限に抑えながら、質の高いケアを提供することができます。
遠距離介護は確かに大変ですが、今回ご紹介したようなサービスを活用することで、仕事と介護の両立はより実現可能なものになります。
お父様が安心して生活でき、相談者さんも仕事に集中できるような環境づくりの参考になれば幸いです。
おわりに ~まごとも利用のすすめ

今回は、ビジネスケアラーのための介護支援サービスを、3人の専門家の視点からご紹介してきました。
高齢者福祉サービスプランナーの飯塚さんは、人材マッチングサービスの使用をおすすめしていましたが、ここでは最後に 飯塚さんも人材マッチングサービスの具体例の一つとして挙げていた、大学生が高齢者の自宅に訪問し、楽しい時間を過ごしたり定期的な見守りを行ったりするという京大発ベンチャーが開発したサービス、『まごとも』をご紹介します。
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『まごとも』は、介護福祉士監修の研修を受けた若者がシニアのもとを訪問し、一緒にお出かけや、スマホやタブレットの支援など介護保険では対応できない日常生活をサポートするサービスです。
『まごとも』では、若者との交流を通して、高齢者に精神面での活力を受け取っていただき、生きる喜びや目的を見出し、積極的に行動を起こせるようになると考えます。
「まごとも」を利用されたシニアの方の中には、車椅子状態で引きこもっていた状態から自主的に歩行トレーニングを始めて、補助器なしで歩けるようになった方もいらっしゃいます。
ご家族からは、「親の日常にハリが出た」「親がポジティブになった」など、嬉しい声を数多く頂戴しています。シニアの皆さまからは、「元気がもらえた」「楽しかった。ありがとう」など心から楽しかったと思える時間を提供しています。
また、業務終了後に笑顔の写真付きのレポートを提供させていただいています。ご家族の皆さまも元気をもらって、安心して、仕事やプライベートに集中できます。
「まごとも」によって、介護によるストレスを減らして、すぐに始めることができる親孝行をしてみませんか?
詳しくは、以下の公式LINEから詳細の情報をご覧ください。
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