父が75歳を迎えた頃、「最近、体調が優れないんだ。年のせいかな…」とぽつりと漏らしたことがありました。
私にとって、いつも元気で頼もしかった父のその言葉は、大きな衝撃でした。そしてそれ以来、高齢者の健康について考えるようになったのです。
きっと皆さんの中にも、「年をとっても健康でいるためには何をすればいいのだろう」と悩まれている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
高齢者の方々にとって、健康を保つことは心身のウェルビーイングを維持する上で非常に重要です。
適切な運動習慣、バランスの取れた食事、そして何より心のケア。
これらは日々の生活の中で意識的に取り入れていく必要があります。
父との経験を通じて、私はそのことを身をもって学びました。
今すぐにでも健康習慣を見直し、実践してみませんか。
小さな一歩から始めることで、大きな変化を感じることができるはずです。
この記事では、父との体験を軸に、高齢者の方々が日常生活に取り入れるべき健康習慣や、心身の健康を保つためのポイント、そして簡単に始められる運動や食事の工夫について、詳しくお話ししていきたいと思います。
高齢者の幸福度に影響を与える要因
父の事例を通じて、私は高齢者の幸福度に影響を与える要因が実に多岐にわたることを学びました。
特に大きな影響を与えるのが、健康状態、家計状況、そして住んでいる地域や住宅の環境です。
これらの要因が適切に整っているかどうかで、高齢者の生活の質は大きく変わってきます。
健康であることは日常生活の質を高め、経済的な安定は安心感をもたらします。
また、居住地域や生活環境が良好であることも、社会的なつながりや活動の機会を増やし、幸福度を高める要素となります。
たとえば父の場合、健康であった時期は積極的に外出し、趣味のテニスを楽しみ、充実した毎日を送っていました。
しかし、体調を崩した時期は外出も減り、それに伴って社会的なつながりも薄れがちになりました。
この経験から、健康状態が社会活動や生活の質全般に大きな影響を及ぼすことを実感しました。
他にも、家計が安定していれば、医療や介護サービスを安心して利用できるため 心の安定を保つことができる、あるいは 居住地域が交通の便が良くコミュニティ活動が活発であれば、孤立感を感じにくくなるなど、さまざまな要因が整っていることで 高齢者のウェルビーイングは向上するのです。
以下で、健康状態と家計状況の重要性、そして居住地域と生活環境の影響について詳しく解説していきます。
健康状態と家計状況の重要性
父は定年退職後も週に2回はテニスを続け、健康的な生活を送っていました。
しかし、突然の腰痛をきっかけに、その生活は大きく変化することになります。
テニスができなくなっただけでなく、日常的な外出も減少し、それまで築いてきた友人関係も少しずつ疎遠になっていきました。
同時に、治療費や医療費の増加は家計にも影響を及ぼしました。
幸いにも、父は若い頃から計画的に貯蓄をしていたため、必要な治療を受けることができました。
この経験から、私たち家族は健康管理と経済的な準備の両立がいかに重要かを学びました。
さらに、医療費や生活費の負担が軽減されることで、それ以外の部分に充てることができる費用が多くなり、趣味や社会活動により積極的に参加できるようになることも分かりました。
実際、父も治療費の心配が少なくなってからは、新しい趣味を見つけることにも前向きになっていきました。
このように、健康状態が悪くなると家計状況に悪影響が出る場合があり、一方家計状況が安定していると多くの活動に参加しやすくなり 孤立感を防ぐことにもつながるなど、健康と家計は深くつながっており、そのバランスを保つことは、高齢者の生活の質を高めるために不可欠なのです。
居住地域と生活環境の影響
父は東京郊外の住宅地に住んでいます。
都市部に住むことのメリットとして、医療機関へのアクセスの良さや、買い物の便利さがありました。
特に、父が体調を崩した際は、近くに総合病院があったことが大きな安心につながりました。
一方で、都市部特有の課題もありました。
騒音や人混みによるストレス、そして何より、近所付き合いの希薄さです。
父は当初、これらの環境要因にストレスを感じていました。
特に、テニス仲間との交流が減った後は、社会的な孤立感を強く感じるようになっていました。
この状況を改善するため、私たち家族は地域のコミュニティ活動への参加を提案しました。
最初は気が進まない様子でしたが、地域の老人会やボランティア活動に参加するようになると、新しい友人もでき、生活に活気が戻ってきました。
このように、居住地域とその「生活環境」は、高齢者の「ウェルビーイング」に大きな影響を与えます。
都市部に住む高齢者は、交通の便が良く医療機関へのアクセスも容易ですが、父の例のように騒音や人混みがストレスとなることもあります。
一方、地方では自然に囲まれた環境が心の安らぎを提供する一方、医療や買い物の利便性が低いことが課題です。
さらに、地域社会とのつながりも重要で、孤立を防ぐためには「コミュニティ活動」への参加が推奨されます。
例えば、地域のサークルやボランティア活動は、社会的なつながりを深め、生活の質を向上させる手段として有効です。
したがって、高齢者の健康と幸せを考慮する際には、居住地域の選択とその「生活環境」の整備が重要なポイントとなります。
デジタルリテラシーとウェルビーイング
デジタルリテラシーは、高齢者のウェルビーイングを向上させる重要な要素です。
デジタル技術を活用することで、健康管理やコミュニケーションがより容易になり、生活の質が向上します。
特に、オンラインでの健康情報の取得や、遠方に住む家族とのコミュニケーションが可能になることで、孤立感が軽減され、心の健康にも良い影響を与えるでしょう。
高齢者がデジタルスキルを身につけることで、日常生活の利便性が向上し、社会とのつながりを保つことができます。
たとえば、オンラインショッピングや銀行取引を安全に行うスキルを持つことで、外出が困難な状況でも生活必需品を手に入れることができます。
また、SNSを通じて友人や家族と交流することで、社会的なつながりを保つことができ、孤独感を軽減することができます。
デジタルリテラシーを向上させるためには、地域のデジタルスキル講座や、スマートフォンやタブレットを活用したオンライン講座などが役立ちます。
以下で詳しく解説していきます。
高齢者のデジタルスキル向上の必要性
コロナ禍での外出制限は、私たち家族にとって大きな転機となりました。
特に、離れて暮らす私たち子どもや孫とのコミュニケーションの維持が課題となったのです。
父はそれまでガラケーを使用していましたが、これを機にスマートフォンへの移行を決意しました。
最初は操作に戸惑い、使わない日々が続いてしまうなどの困難もありました。
しかし、家族で少しずつ使い方を教えていくうちに、徐々に慣れていきました。
今では、天気予報アプリやオンラインショッピング、さらにはSNSまで使いこなすようになっています。
このデジタルスキルの向上は、父の生活に大きな変化をもたらしました。
健康管理アプリで毎日の歩数を記録したり、オンラインで健康情報を取得したりすることで、より主体的に健康管理に取り組めるようにまでなったのです。
このように、高齢者が「デジタルスキル」を向上させることは、ウェルビーイングの観点からも重要です。
デジタル技術は、身体的な健康管理に役立つだけでなく、社会参加・孤立感を軽減させることで精神的な健康を実現することにもつながります。
また、ネットショッピングや銀行サービスの利用により、日常生活の利便性を向上させることもできます。
デジタルスキルの向上は、これらのメリットを享受するための鍵となり、高齢者の生活の質を大きく向上させるでしょう。
デジタルリテラシーを身につけることで、高齢者はより自立した生活を送り、豊かな老後を実現することができるのです。
デジタル技術がもたらす社会的メリット
デジタル技術の進化によって高齢者の生活が変わることによって生じる、社会的なメリットもいくつかあります。
たとえば、健康管理アプリやオンライン診療の普及により 日常的な健康管理が容易になることで、高齢者が自宅で健康状態を把握し 必要に応じて医師と相談することが可能となり、高齢化による医療資源の逼迫を緩和することができます。
また、デジタル技術は「社会的孤立」を軽減する手段としても注目されています。
ビデオ通話やSNSを利用することで、遠方に住む家族や友人とつながることができ、孤独感を和らげることができ、高齢者の生きがいの低下、詐欺などの消費者被害、孤立死などの社会問題の解決にもつながるのです。
このように、デジタル技術は高齢者の生活を多面的に支え、より豊かな生活を実現するための重要なツールとなると同時に、社会的にも有益な結果を生み出すのです。
趣味がもたらす幸福度の向上
趣味は、高齢者の幸福度を大きく向上させる要素です。
新しい趣味を持つことで 日常生活に楽しみが増え、精神的な充実感を得られます。
さらに、趣味を通じて社会的なつながりを持つことができ、孤独感を軽減する効果も期待できます。
これらの要素は、ウェルビーイングの向上に寄与します。
趣味を持つことが幸福度に寄与する理由は、心身の健康に良い影響を与えるからです。
趣味活動は脳を活性化し、ストレスを軽減させます。身体を動かす趣味であれば、運動不足の解消にもつながります。
また、趣味を通じて新しいことを学ぶことで、自己成長を感じることもできるでしょう。
具体的には、ガーデニングや絵画、音楽演奏などの趣味があります。
これらの活動は、創造性を刺激し 達成感を得られるため、心の健康に良い影響を与えます。
以下で詳しく解説していきます。
趣味の種類とその選び方
父の場合、腰痛でテニスを諦めざるを得なくなった後、新しい趣味を見つけることが大きな課題となりました。
試行錯誤の末、ベランダでのガーデニングを始めることにしたのです。
最初は小さなプランターでミニトマトを育てることから始まり、今では様々な野菜や花を育てています。
このように、趣味を選ぶ際には、その人の身体状況や生活環境に合わせたものを選ぶことが重要です。
ガーデニングは、テニスと比べて身体的な負担が少なく、自分のペースで取り組めるため、父に適していました。
また、収穫した野菜を近所の方におすそ分けすることで、新しい交流も生まれました。
地域のサークルやコミュニティ活動に参加することで、社会的なつながりを持ち、孤立を防ぐことができるような場合もあるでしょう。
趣味を通じて得られる満足感は、人生の質を向上させ、長寿を楽しむための大切な要素なのです。
趣味活動が心身に与える影響
趣味活動は高齢者の「心身」に大きな影響を与える要素です。
例えば、ガーデニングや絵画などの創造的な活動は、ストレスを軽減し、精神的な「ウェルビーイング」を高める効果があります。
また、趣味を通じて他者と交流することにより、孤独感が軽減され、社会的つながりが強化されます。
身体を動かす趣味、例えばウォーキングやダンスは、体力向上や心肺機能の改善に寄与します。
さらに、趣味に没頭する時間は、認知機能の維持にも役立ちます。
これらの活動は、日常生活に「充実感」をもたらし、結果として高齢者の幸福度を高める重要な役割を果たしています。
父の場合、毎日の水やりや草取りが適度な運動となり、植物の成長を見守る喜びが生きがいとなっているようです。
特に、収穫の時期には目を輝かせながら野菜の様子を話してくれます。
また、近所の方々と野菜づくりの情報を交換したり 収穫物をおすそ分けしたりすることで、新しいコミュニティを形成することもできたようです。
高齢者のウェルビーイングを実現するためのその他の方法
父の経験から、ここまでに紹介した以外の要素で ウェルビーイングを実現するために私が特に重要だと感じているのは、無理のない運動の継続です。
ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で続けられる運動を取り入れることが大切です。
父の場合、朝の散歩と園芸活動を日課とし、週に一度は地域の体操教室に参加しています。
これらの活動は、身体機能の維持だけでなく、社会とのつながりを保つ機会にもなっています。
また、バランスの取れた食事も欠かせません。
父は母と相談しながら、タンパク質やビタミン、ミネラルをしっかりと摂取するよう心がけています。
さらに、定期的な「健康診断」を受けることで、早期に健康問題を発見し、適切な対応が可能になります。
最後に、繰り返すようですが 社会との「つながり」もウェルビーイングに大きく寄与します。
地域のイベントやサークル活動に参加することで、心身の健康を維持できます。
これらのポイントを意識し、日々の生活に取り入れることで、高齢者はより健康で充実した日々を送ることができるでしょう。
まとめ
今回は、高齢者の方々の
・健康的な食生活の重要性
・適度な運動の効果
・心の健康を保つ方法
について、筆者の父との経験を交えながらお話してきました。
父との経験を通じて、私は高齢者の健康とウェルビーイングには、身体的な健康維持だけでなく 心の充実や社会との繋がりも不可欠だということを学びました。
特に重要なのは、健康的な食生活の維持、適度な運動の継続、そして心の健康を保つための活動です。
これらの習慣を身につけることは、決して容易なことではありませんが、一つずつ着実に取り組んでいくことで、必ず実りある結果が得られると信じています。
父の例からも分かるように、小さな変化から始めることで、大きな変化につながっていくのです。
皆様も、できることから少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。
毎日の散歩や、新鮮な野菜を意識的に摂取すること、あるいは地域の活動に参加してみることなど、できることから始めていただければと思います。
健康的な生活習慣は、きっと豊かな人生への第一歩となるはずです。
皆様の健康的な生活への第一歩を、心から応援しています。
おわりに
今回の記事では、高齢者世代のウェルビーイングを実現する方法を解説してきましたが、高齢者にとって若者と交流する機会をもつことは、精神的な健康を保つためにいい方法の一つです。
日常の中で 高齢者と若者のコミュニケーション・世代間交流の場を設けることができるようにするのが、京大発ベンチャーが開発したサービス『まごとも』です。
______________________________________________________
『まごとも』は、介護福祉士監修の研修を受けた若者がシニアのもとを訪問し、一緒にお出かけや、スマホやタブレットの支援など介護保険では対応できない日常生活をサポートするサービスです。
『まごとも』では、若者との交流を通して、高齢者に精神面での活力を受け取っていただき、生きる喜びや目的を見出し、積極的に行動を起こせるようになると考えます。
「まごとも」を利用されたシニアの方の中には、車椅子状態で引きこもっていた状態から自主的に歩行トレーニングを始めて、補助器なしで歩けるようになった方もいらっしゃいます。
ご家族からは、「親の日常にハリが出た」「親がポジティブになった」など、嬉しい声を数多く頂戴しています。シニアの皆さまからは、「元気がもらえた」「楽しかった。ありがとう」など心から楽しかったと思える時間を提供しています。
また、業務終了後に笑顔の写真付きのレポートを提供させていただいています。ご家族の皆さまも元気をもらって、安心して、仕事やプライベートに集中できます。
「まごとも」によって、介護によるストレスを減らして、すぐに始めることができる親孝行をしてみませんか?
詳しくは、以下の公式LINEから詳細の情報をご覧ください。
公式LINEのリンクはこちら
皆さまのご連絡をお待ちしております。
お問い合わせ
株式会社whicker(ウィッカー)
サービスHP:https://whicker.info/
各種SNS:https://lit.link/magotomo
メールアドレス:magotomo@whicker.info