今回のお悩み:一人暮らしをしている高齢の親の孤独を軽減する方法を教えてほしい
今回届いたお悩みはこちらです。
80代の私の父は、昨年母が他界してから一人暮らしをしています。
私も父のことを気にかけてはいるのですが、住んでいる場所が遠いこともあり、多くても1か月に2回くらいしか会いにいくことができません。
孤独は心身の健康にもよくないと聞いたことがあるので、とても心配しています。
一人暮らしの父の孤独を軽減するいい方法があれば、教えてほしいです。
( 50代女性 )
高齢者の息子・娘世代の方は、仕事や家庭で忙しくしている場合が多く、今回の相談者のように 親の孤独を心配しているけれど 自分が頻繁に会いにいくわけにもいかない、という悩みを抱えていることも多いでしょう。
老親の孤独を軽減するためにはどのような方法があるのか、3人の専門家・実際の介護経験者をお呼びして それぞれの見解をお聞きしました。
① 地域包括支援センター職員 細井さん(36)の視点:地域活動への参加

地域活動への参加で、「社会とのつながり」をもつ
孤独を感じている高齢者にとって重要なのは、社会とのつながりをもつことです。
高齢者が社会とのつながりをもつ方法には、シルバー人材センターに登録して仕事を探す、デイサービスやデイケアなどの介護サービスを利用することで スタッフや他の利用者との交流の機会をもつなど、さまざまなものがありますが、私が最もおすすめするのは地域活動への参加です。
地域のイベントや、老人会・町内会などに参加することで、高齢者が社会的なつながりを深めることができるのはもちろん、地域での役割を持つことで 自己肯定感を高め、生活の質を向上させることができます。
孤独を感じている状況が心身に悪影響を及ぼすことを危惧されているとのことですが、地域活動への参加を促せば、人とのつながりができるだけでなく、それ以上に生き生きとした日々を送ることができるようになるかもしれません。
高齢者の地域活動への参加のメリット
しかし、私が地域活動への参加をおすすめするのは、単に 孤独な高齢者が社会とのつながりをもつことができるようになるからというだけではありません。
高齢者の地域活動への参加には、他にもメリットがたくさんあるからです。
ここでは、そのメリットの中から 3つをご紹介します。
① 高齢者の趣味につながる
特に 老人会などに参加することを選んだ場合、生け花、カラオケ、将棋、スポーツなどの何らかの活動を行う場合が多いです。
これは、高齢者が趣味をもつことや、慣れ親しんだ趣味を楽しむ時間をとることにつながるため、高齢者の生活にハリが出てくること間違いなしです。
② 暮らしに安心感をもたらす
地域活動に参加することで、地域のコミュニティに入ることができ、近所の人・地域の人との関係性が深まります。
一人暮らしをしている高齢者の場合、生活圏内に知り合いが増えることは、暮らしの上での大きな安心感につながるはずです。
③ 地域社会全体の活性化につながる
高齢者が地域活動に参加することで、高齢者は長年の経験や知識を生かし、地域の「知恵袋」として若い世代に貴重な教えを伝えることができます。
また、地域の伝統や文化を伝え、守っていくことにもつながります。
つまり、高齢者の地域活動への参加は、地域社会全体の活性化にもつながるのです。
以上のように、高齢者の地域活動への参加は、高齢者自身が 助けられる存在ではなく 一人の「プレイヤー」となることで、高齢者自身を元気にさせるだけでなく、地域社会全体も元気にさせてくれるのです。
孤独に暮らしている高齢の親が気になるのであれば、ぜひ地域活動への参加をすすめてみてください。
② 10年以上にわたって父親の介護を続けた家族介護経験者 寺内さん(67)の視点:テクノロジーを用いたコミュニケーション

テクノロジーの力で、特別な存在とコミュニケーションを取り続ける
私は、高齢者の孤独を軽減するためには、テクノロジーを使って 家族や友人とのコミュニケーションを取り続けることができるような環境を用意することが重要だと考えています。
高齢者が 人と関わる機会をもつ方法には コミュニティに入って活動したり、人と関わることができるようなサービスを利用したりと さまざまな方法が考えられますが、家族や 元から親しくしている友人といった特別な存在と、それなりの頻度でコミュニケーションを取り続けることができるようにすることは 高齢者の精神安定のために非常に重要であると、私は考えています。
もちろん、直接訪問したり 会う約束をして、対面で会うことができればそれに越したことはありませんが、今回の相談者さんのように なかなか会いに行くことができないという方も多いでしょう。
そこで私がおすすめするのが、電話やビデオ通話、場合によってはメール、LINEなどのテクノロジーを使ってコミュニケーションをとることです。
私自身、10年以上にわたって 父親の遠距離介護を続けてきたのですが、どれだけ人とコミュニケーションをとる機会を整えようとしても 精神的な老いが進んでいった父が、私たち家族と2~3日に1回ビデオ通話をすることができるようにした途端、それを楽しみに それなりに元気に暮らすようになりました。
自分にとって大事な人たちと定期的につながっている、あるいはいつでもつながることができるという感覚をもつことは、高齢者の孤独を大きく軽減するのです。
シニア向けスマホ利用のすすめ
テクノロジーを利用して 家族や友達とコミュニケーションをとることができる環境をつくることがおすすめ、と説明しましたが、私の父の場合 コミュニケーションをとるにあたって「シニア向けスマホ」というものに大変助けられました。
そこで、シニア向けスマホについても簡単に解説をしておきます。
近年、大手キャリアなどでは、シニア向けのスマホがラインナップされている場合が多くなってきています。
シニア向けスマホは、アイコンや文字などが見やすく 操作しやすくなっているほか、家族など大事な人との連絡が取りやすくなっているものも多いです。
たとえば登録した連絡先のショートカットを ホーム画面に配置できるようなものもあるため、高齢の親のほうから連絡してくることへのハードルが下がることにもつながるかもしれません。
高齢の親に 家族や友達とすぐにコミュニケーションをとることができる環境を用意することを考えるときには、シニア向けスマホの利用を検討するのも1つの手かもしれません。
③ 社会福祉協議会職員 佐竹さん(51)の視点:見守りサービスの利用

一人暮らしの高齢親に対する心配事を一挙に解決する「見守りサービス」
「一人暮らしをしている 高齢の親の孤独について心配している」とのご相談ですが、一人暮らしをしている高齢者、いわゆる独居老人に関連する心配事は「孤独」以外にもいろいろあるはずです。
急に体調不良を起こしたり 事故に遭ったりしていないか、詐欺に巻き込まれたりしていないか、あるいは 考えたくないことではありますが、孤独死をしてしまっているようなことがないか…。
私は、それらの心配事を一気に解決できる手段として、見守りサービスの利用をおすすめします。
見守りサービスには さまざまな種類がありますが、ここでは自治体や民間企業が提供するプランに加入し、定期訪問のスケジュールを設定する形のものをご紹介します。
これにより、訪問時の健康チェックや近況報告によって 健康異常や異常事態の早期発見が可能になるほか、定期的な訪問の際に必ずコミュニケーションをとることができるようになることで、高齢者の孤独も自然と軽減されるのです。
緊急時には迅速な対応をすることができるようなシステムが整えられているサービスも多く、離れて暮らしていても安心できるはずです。
直接的なコミュニケーションを軽視してはいけない
今回は、「一人暮らし」という状況を前提としていたこともあり、見守りサービスをおすすめしましたが、サービスに加入したから安心、と思いすぎるのはよくありません。
高齢者にとっても家族と定期的なコミュニケーションをとることは 安心感や活力につながるはずですから、直接のコミュニケーションを定期的にとることは意識したうえで、見守りサービスを有効に活用するのがいいと思います。
まとめ
今回は、高齢の親の孤独を軽減する方法を、3人の専門家・実際の介護経験者の視点からご紹介しました。
どれも有効な方法ですし、親の性格や好みに合わせた方法を選ぶことも大切だと思いますが、理想的なのは、これらを組み合わせて取り入れることでしょう。
高齢になると、孤独感、心身の健康などがそれぞれに悪い方向に連鎖して、心身ともに老いが加速していってしまう場合が多くみられます。
さまざまな方法を使った複合的なアプローチで 高齢者の生活にハリを出し、孤独を軽減するだけでなく それがさまざまな面に プラスのほうに連鎖していくというような状況が理想的です。
そして、何より重要なのは、遠方にいても親を思う気持ちを伝え続けることです。
「気にかけている」という思いが伝わるだけでも、高齢の親にとって大きな支えになるはずです。
おわりに ~まごとも利用のすすめ

今回は、一人暮らしをしている高齢の親の孤独を軽減する方法を、3人の専門家・実際の介護経験者の視点からご紹介してきました。
社会福祉協議会職員の佐竹さんは 見守りサービスの利用をすすめていましたが、最後に、大学生が高齢者の自宅に訪問し、楽しい時間を過ごしたり定期的な見守りを行ったりするという画期的なサービスをご紹介します。
京大発ベンチャーが開発したサービス、『まごとも』です。
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『まごとも』は、介護福祉士監修の研修を受けた若者がシニアのもとを訪問し、一緒にお出かけや、スマホやタブレットの支援など介護保険では対応できない日常生活をサポートするサービスです。
『まごとも』では、若者との交流を通して、高齢者に精神面での活力を受け取っていただき、生きる喜びや目的を見出し、積極的に行動を起こせるようになると考えます。
「まごとも」を利用されたシニアの方の中には、車椅子状態で引きこもっていた状態から自主的に歩行トレーニングを始めて、補助器なしで歩けるようになった方もいらっしゃいます。
ご家族からは、「親の日常にハリが出た」「親がポジティブになった」など、嬉しい声を数多く頂戴しています。シニアの皆さまからは、「元気がもらえた」「楽しかった。ありがとう」など心から楽しかったと思える時間を提供しています。
また、業務終了後に笑顔の写真付きのレポートを提供させていただいています。ご家族の皆さまも元気をもらって、安心して、仕事やプライベートに集中できます。
「まごとも」によって、介護によるストレスを減らして、すぐに始めることができる親孝行をしてみませんか?
詳しくは、以下の公式LINEから詳細の情報をご覧ください。
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