今回のお悩み:高齢の親が「楽しみ」の時間をもつためにおすすめのサービスを教えてほしい

今回届いたお悩みはこちらです。

私には、70代後半の母と80代前半の父がいます。
どちらも、耳が遠くなった、体が痛いとよく言っているなどといった 加齢に伴う不調はあるものの、幸いなことに特別 介護という介護が必要な状態には至っていません。
しかし、父が退職してから 母も父も家にいることが多く、日常に楽しみや刺激がないために 精神的な老化が進んでしまうのではないかと心配しています。
精神的な老化は 肉体的な老化にもつながると聞いたこともあるので、母や父が「楽しみ」の時間をもつために私にできることはないかと考えています。
何かおすすめのサービスなどがありましたら、教えていただきたいです。
( 50代男性 )

このコーナーでは、介護真っ只中の方からの相談が多いですが、今回の相談者のように まだ特別 介護を受ける必要がある状態には至っていないという場合には、介護が必要な状態にならないようにすることが とても重要です。
また、現在介護を受けている人でも、それ以上度合いが増さないように改善していくことは重要です。
今回は、そのような「介護予防」を精神的な面からみたときの、特に「楽しみ」という部分に注目して、3人の専門家・実際の介護経験者がおすすめするサービスをお聞きしました。

① 介護施設運営会社代表 杉本さん(57)の視点:シルバーエコノミーの活用

高齢者向け市場の拡大

近年、高齢者の増加とともに「シルバーエコノミー」と呼ばれる高齢者を対象とした新しい市場やビジネスが急速に拡大してきています。
従来の介護サービスとは異なり、高齢者の趣味や楽しみといった側面に焦点を当てたサービスも数多く登場しているのです。
これらのサービスは、介護が必要な状態になる前の元気な高齢者をターゲットにしているものも多く、ご両親のような「今はまだ元気だけれど、これからの老化が心配」という方々に特に適していると言えるでしょう。

具体的なサービスの例とサービス選びのポイント

具体的なサービスとしては、まずシニア向けコースを設けたパーソナルジムが挙げられます。
通常のスポーツジムとは異なり、高齢者の身体特性を理解したトレーナーが、無理のない範囲で適切な運動指導を行います。
単に体を動かすだけでなく、同世代との交流の場にもなるため、精神的な刺激も得られます。

また、高齢者に特化した旅行ツアーも人気があります。
同世代の参加者で構成されるため気兼ねなく参加でき、移動のペースや観光地の選定も高齢者に配慮されています。
短期間の日帰りツアーから、数日間の国内旅行まで様々なものがあるので、ご両親の体力や興味に合わせて選ぶとよいでしょう。

他には、シニア向けの習い事教室や、趣味のサークル活動も充実してきています。
絵画や書道、陶芸などの芸術系から、語学やパソコンなどの学習系まで、選択肢は多岐にわたります。
特に、シニア専用の教室では、同世代の参加者同士で切磋琢磨できる環境が整っているため、継続的なモチベーション維持にもつながります。

ご両親の性格や興味に合わせたサービス選びが大切です。
お父様が元々仕事中心の生活だったのであれば、男性シニアが多く参加する活動を選ぶとよいでしょうし、お母様が手先が器用であれば、手工芸などの創作活動が向いているかもしれません。
様々なサービスを試してみて、ご両親に合ったものを見つけることが重要です。

② 10年以上にわたり両親の介護を経験した 大久保さん(58)の視点:日常に取り入れられる趣味活動

必ずしも特別なサービスに頼らず、生活の中の楽しみを見つける

私の父は、退職後しばらくは特に趣味もなく家で過ごしていました。
しかし、60代後半になってから突然、家庭菜園と絵を描くことに興味を持ち始めたのです。
母が健在だった頃は、二人で協力して野菜を育て、収穫した野菜を使った料理を楽しんでいました。
また、父は風景画を描くようになり、近所を散歩しては気に入った景色をスケッチブックに描き留めていました。

しかし、母は数年後に認知症が進行し、グループホームに入ることになりました。
父は一人暮らしを始めることになったのですが、その時になってはじめて 私は、それらの趣味があったおかげで父の精神的な健康が保たれていることを実感しました。
一人になっても、毎朝畑に出て作物の世話をし、晴れた日には外に出て絵を描く。
そのような日常のリズムが、父の生きがいとなっていたのです。

生きがいを見つけることの大切さ

この経験から私が言いたいのは、特別なサービスを利用しなくても、生活の中でできるちょっとした趣味の機会を持つだけでも、精神的な健康を保つためには十分であるということです。
家庭菜園、絵画、読書、料理、手芸など、家の中や近所でできる趣味は数多くあります。

特に重要なのは、「何かを作り出す」または「何かを育てる」という要素が含まれる趣味です。
これらは達成感や満足感を得やすく、継続的なモチベーションにつながります。
例えば、野菜を育てて収穫する喜び、料理を作って誰かに食べてもらう喜び、絵や手芸作品を完成させる喜びなど、目に見える成果があることが重要です。

もちろん、むしろお金を出してサービスを利用した方が楽だという場合も多いでしょうし、そのような場合は積極的に利用すればよいと思います。
しかし、高額なサービスやプログラムに参加しなくても、日常生活の中に小さな楽しみや生きがいを見つけることは十分可能だということを忘れないでください。

③ ヘルスケアコンサルタント 田中さん(45)の視点:身体的アプローチで精神面もケア

身体の健康から精神的な健康へとつなげる発想

相談者さんは、精神的な健康と身体的な健康が相関関係にあることは理解した上で、楽しみや刺激といった精神的な面から親御さんの健康を保とうと考えているようですが、アプローチの仕方はそれだけではありません。
実は逆の発想、つまり身体的な面からアプローチして、身体的・精神的両方の健康を保つという方法も効果的です。

具体的には、適度な運動、質の高い睡眠、健康的な食事などを確保することが、精神的な健康にも大きく影響するのです。
例えば、適度な運動は脳内の幸福感をもたらす物質(エンドルフィンなど)の分泌を促し、気分を向上させる効果があります。
また、質の良い睡眠は認知機能の維持にも重要で、食事内容も脳の健康に直接影響します。

健康管理サービスとテクノロジーの活用

そのためには、看護師が定期訪問したり、スマートウォッチによって身体データを計測したりするようなヘルスケアサービスを利用するという方法もあります。
定期的な健康チェックにより、小さな変化にも早めに気づくことができますし、データを見える化することで、ご両親自身の健康意識も高まるでしょう。

より手軽なものとしては、高齢者の身体活動時間の低下や交流機会の減少を改善するために作られた介護予防アプリ「オンライン通いの場」のようなアプリを活用する方法もあります。
これらのアプリでは、自宅にいながら健康体操やレクリエーションに参加できるほか、同世代の方々との交流も可能です。
スマートフォンやタブレットの操作が難しい場合は、最初は相談者さんがサポートしながら一緒に参加してみるのも良いでしょう。

また、地域の自治体が提供している介護予防教室やシニア向け健康講座なども、身体面からのアプローチとして有効です。
これらは無料または低価格で参加できることが多く、専門家の指導を受けられる貴重な機会となります。
身体的な健康と精神的な健康は密接に関連しています。楽しみや趣味を通じた精神面からのアプローチと併せて、身体面からのアプローチも取り入れることで、より効果的に健康寿命を延ばすことができるでしょう。

まとめ

今回は、高齢の親が「楽しみ」の時間を持つためのおすすめサービスについて、3人の専門家・介護経験者の視点からご紹介しました。
シルバーエコノミーの発展によって生まれた高齢者向けの趣味特化型サービス、日常生活の中で見つけられる小さな楽しみや生きがい、そして身体的な健康から精神的な健康へとつなげるアプローチについて、それぞれの専門家から具体的なアドバイスをいただきました。
これらの方法は互いに補完し合うものであり、ご両親の性格や好みに合わせて取り入れることで、より効果的な介護予防につながるでしょう。
特に、まだ介護が必要な状態ではないご両親にとって、今から楽しみや生きがいを見つけることは、将来の健康維持に大きく貢献します。

何より大切なのは、ご両親自身が「楽しい」と感じることです。
サービスや活動を押し付けるのではなく、ご両親の興味や関心に寄り添いながら、一緒に新しい楽しみを探してみてはいかがでしょうか。
相談者さんの思いやりが伝われば、それだけでもご両親の心の支えになることでしょう。

最後に、介護予防は早い段階から始めるほど効果的です。
今回ご紹介した方法を参考に、ご両親の健康で充実した生活をサポートしていただければ幸いです。

おわりに ~まごとも利用のすすめ

今回は、高齢者の「楽しみ」を増やすことで 健康を保つためにおすすめなサービスや方法などを、3人の専門家・実際の介護経験者の視点からご紹介してきました。
従来の介護サービスは、すでに介護が必要になった方が利用する場合がほとんどであるということもあり、身体的なケアに重点がおかれているサービスがほとんどでした。
しかし近年、高齢者の精神的なケアに目を向けた 新しいサービスも登場してきているため、ここではその中から特におすすめなものを一つご紹介します。
大学生が高齢者の自宅に訪問し、楽しい時間を過ごしたり定期的な見守りを行ったりするという京大発ベンチャーが開発したサービス、『まごとも』です。

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『まごとも』は、介護福祉士監修の研修を受けた若者がシニアのもとを訪問し、一緒にお出かけや、スマホやタブレットの支援など介護保険では対応できない日常生活をサポートするサービスです。

『まごとも』では、若者との交流を通して、高齢者に精神面での活力を受け取っていただき、生きる喜びや目的を見出し、積極的に行動を起こせるようになると考えます。
「まごとも」を利用されたシニアの方の中には、車椅子状態で引きこもっていた状態から自主的に歩行トレーニングを始めて、補助器なしで歩けるようになった方もいらっしゃいます。

ご家族からは、「親の日常にハリが出た」「親がポジティブになった」など、嬉しい声を数多く頂戴しています。シニアの皆さまからは、「元気がもらえた」「楽しかった。ありがとう」など心から楽しかったと思える時間を提供しています。

また、業務終了後に笑顔の写真付きのレポートを提供させていただいています。ご家族の皆さまも元気をもらって、安心して、仕事やプライベートに集中できます。

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詳しくは、以下の公式LINEから詳細の情報をご覧ください。

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