今回のお悩み:親の介護の終わりが見えないのが辛いとき どうすればよいか教えてほしい

今回届いたお悩みはこちらです。

3年前から、70代後半の母の介護をしています。
母は以前からこだわりが強く、思い通りに体が動かせなくなり 認知能力も衰えた今でも、「ここはこうでなければ嫌だ」というようなことが はっきりしています。
私は、そのように"自分の生き方"を持っている母が好きなので それを尊重したいとは思っているのですが、そのためには私の仕事や家庭などを犠牲にしなければならない部分もあり、それがだんだん辛く感じるようになってきました。
母の役に立てるのは嬉しいけれど、この介護漬けの日々がいつ終わるかわからないのが辛いです。とはいえ、介護が終わるときというのは 母が亡くなるときであることもわかっていて、心のどこかで その終わりを望んでしまっている自分がいるのも嫌になります。
このようなとき、どうすればいいのでしょうか。私の介護生活はいつ終わるのでしょうか。
( 40代女性 )

介護の大きな特徴として、いつ終わるか分からないうえに、事態が改善される場合が少ないというものがあります。
いつまで続くかわからない上に、どれだけそこに時間を費やしても 現状が維持されるか むしろ事態が悪くなっていく場合も多いため、介護者が今回の相談者のような悩みを抱えてしまうことも少なくありません。
介護の終わりが見えないことへのストレスが膨らんだ場合 どうすればよいのか、3人の専門家・実際の介護経験者をお呼びして それぞれの見解をお聞きしました。

① 介護施設長 田口さん(48)の視点:介護サービスを取り入れることで自分の時間を確保する

介護期間の見通しと現実的な対応法

介護の期間については、平均的には約10年程度と言われています。
これには男女差があり、一般的に女性の方が長生きするため介護期間も長くなる傾向にあります。
しかし、これはあくまで平均値であり、10年経ったから必ず終わるというものではありません。
また、相談者さんが悩んでいるように 単に終われば幸せというものでもないこともあり、「いつ終わるのか分からない」というストレスが 介護における難しい問題となるのは当然のことです。

もちろん、特別養護老人ホームなどの施設に入居してもらうことで、直接的な介護から手を引くという選択肢もあります。
しかし、相談者さんの文面からは、できる限り自分の手で母親の面倒をみたいという思いが伝わってきます。
そのような場合には、プロの手を借りながら在宅介護を続けるという方法が最適でしょう。

介護サービスを活用して負担を分散させる

具体的には、以下のようなサービスの利用をお勧めします。

ショートステイ(短期入所生活介護)

これは、数日から1週間程度、施設で過ごしてもらうサービスで、介護者に休息の時間を提供してくれます。
定期的に利用することで、あなた自身の時間を確保し、リフレッシュすることができます。

小規模多機能型居宅介護

これは、「通い」「訪問」「宿泊」を組み合わせて提供するサービスで、状況に応じて柔軟にサービス内容を変更できるのが特徴です。
特に、母親のこだわりが強いという点を考慮すると、同じスタッフが継続的に関わる場合もある このサービスは、信頼関係を築きやすいでしょう。

夜間対応型訪問介護

夜間の見回りをしてくれる夜間対応型訪問介護を利用すれば、睡眠不足による疲労を軽減することもできます。
24時間体制で相談や対応が可能なサービスもあり、精神的な安心感も得られるでしょう。

これらのサービスを上手に組み合わせることで、「自分だけが介護をしなければならない」という重圧から解放され、介護とあなた自身の生活とのバランスを取ることができます。
母親のこだわりを尊重しつつも、あなた自身の人生も大切にするという視点が、長期戦となる介護を乗り切るためには必要です。

② 心理カウンセラー 森本さん(55)の視点:介護のプラス面に目を向ける

介護と育児の”違い”と”共通点”

介護は、しばしば育児と比較されることがあります。
「育児」は子どものできることが増え、親の支援は少なくなっていく過程です。
一方で「介護」は、その対象者の衰えとともにできることが減り、先行きも見通せなくなることが多いという点で、正反対の方向性を持っています。
このため、介護は先が見えず、時に重荷に感じられるのでしょう。

しかし、「育児」と「介護」には共通点もあります。
「育児」が子どもの潜在能力を伸ばすことを目的とするのに対し、「介護」は対象者の残存能力を活かすことを目的としています。
つまり、どちらも「その人の能力を最大限に活かす」という点で共通しているのです。

介護における小さな喜びを見出す

この視点から介護を捉え直すと、母親ができることを維持したり、少しでも快適に過ごせる工夫をしたりすることに喜びを見出せるかもしれません。
例えば、母親が好きだった活動を、形を変えて続けられるようにサポートする。
あるいは、これまでの母親との思い出話をしながら、写真アルバムを一緒に整理するなど、新たな形での交流を模索してみるのも良いでしょう。

また、介護を通じて母親の新たな一面を発見することもあるかもしれません。
認知能力が衰えても、感情は豊かに残っていることが多く、音楽を聴いて喜んだり、昔の思い出話に笑顔を見せたりする瞬間は、介護者にとって大きな喜びとなります。
介護の終わりを考えるのではなく、今この瞬間に母親と共有できる時間の価値を見出すことで、「いつ終わるか」という視点から「今何ができるか」という視点へと転換できるかもしれません。
それが、終わりの見えない介護生活を少しでも楽にする手がかりになるのではないでしょうか。

③ 15年間にわたって父親の介護を続けた浅田さん(59)の視点:介護と仕事の両立のための制度活用

仕事と介護の両立の難しさを理解する

相談者さんのように、介護自体が嫌というわけではなく、仕事との両立が難しくてストレスが膨らんでしまっているというケースは非常に多いです。
特に40代は、仕事でも責任ある立場を任されることが増え、家庭でも子育てや自分の親の介護など、様々な役割を担う必要のある世代です。
そのような状況で、先の見えない介護に向き合うことは、精神的にも肉体的にも大きな負担となります。

介護休業制度の活用を検討する

このような場合、一時的に仕事のほうを休むという選択肢も検討する価値があります。
介護休業制度は、要介護状態にある家族を介護する労働者が、一定期間、仕事を休んで介護に専念できるようにする制度です。
現在の法律では、対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限として分割して取得することができます。

また、介護休暇制度もあり、これは年間5日(対象家族が2人以上の場合は10日)まで、1日単位または時間単位で取得できます。
さらに、時短勤務や残業免除など、働き方の調整を会社に求める権利も法律で保障されています。

これらの制度を活用することで、仕事と介護のバランスを取りやすくなり、精神的な余裕も生まれるでしょう。
特に介護の状況が変化したときには、一時的に仕事を休んで新しい状況に適応するための時間を確保することも大切です。

会社の理解を得るためのコミュニケーション

制度を利用する際に重要なのは、会社側の理解を得ることです。
上司や人事部門に対して、介護の状況や必要な配慮について、具体的に説明することが大切です。
可能であれば、いつまで休暇が必要か、あるいはどのような働き方ならば継続できるかなど、見通しを示すことで、会社側も対応しやすくなります。
また、同僚にも協力を求める際には、あらかじめ自分の担当業務の内容や進捗状況を整理して引き継ぐなど、職場に迷惑をかけない配慮も必要でしょう。

介護と仕事を両立させるためには、利用できる制度をしっかりと理解し、必要に応じて活用することが重要です。
仕事面での負担が軽減されれば、介護にも前向きに取り組む余裕が生まれるはずです。

まとめ

今回は、親の介護の終わりが見えない辛さへの対処法について、3人の専門家・介護経験者の視点からご紹介しました。
介護サービスを活用して自分の時間を確保する方法、介護の新たな意義や小さな喜びを見出す視点の転換、そして介護休業制度などを利用して仕事との両立を図る方法など、それぞれの立場から具体的なアドバイスをいただきました。

介護には「終わりが見えない」という不安がつきものですが、一人で抱え込まず、様々な支援やサービスを活用することで、その負担を軽減することは可能です。
また、介護の「終わり」を考えるのではなく、今この瞬間に何ができるかを考えることで、心の余裕も生まれるかもしれません。

「母親のこだわりを尊重したい」という相談者さんの思いは素晴らしいものですが、あなた自身の人生も同じように大切にしてほしいと思います。
完璧な介護はありません。
自分にできる範囲で、無理のない介護を続けていくことが、結果的には母親のためにもなるのではないでしょうか。
介護の道のりは長く、時に険しいものですが、一人で抱え込まず、周囲の支援を受けながら、自分らしい介護のあり方を見つけていただければと思います。

おわりに ~まごとも利用のすすめ

今回は、介護の終わりが見えないストレスへの対処法を、3人の専門家・実際の介護経験者の視点からご紹介してきました。
介護施設長の田口さんは 介護サービスを取り入れることで自分の時間を確保することをすすめていましたが、そのような方法を考えている方におすすめなサービスとして、最後に、大学生が高齢者の自宅に訪問し、楽しい時間を過ごしたり定期的な見守りを行ったりするという京大発ベンチャーが開発したサービス、『まごとも』をご紹介します。
『まごとも』は介護サービスではないのですが、まさに仕事や家庭に忙しく 親の様子を気にかけるところまで手が回らない方にうってつけのサービスです。

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『まごとも』は、介護福祉士監修の研修を受けた若者がシニアのもとを訪問し、一緒にお出かけや、スマホやタブレットの支援など介護保険では対応できない日常生活をサポートするサービスです。

『まごとも』では、若者との交流を通して、高齢者に精神面での活力を受け取っていただき、生きる喜びや目的を見出し、積極的に行動を起こせるようになると考えます。
「まごとも」を利用されたシニアの方の中には、車椅子状態で引きこもっていた状態から自主的に歩行トレーニングを始めて、補助器なしで歩けるようになった方もいらっしゃいます。

ご家族からは、「親の日常にハリが出た」「親がポジティブになった」など、嬉しい声を数多く頂戴しています。シニアの皆さまからは、「元気がもらえた」「楽しかった。ありがとう」など心から楽しかったと思える時間を提供しています。

また、業務終了後に笑顔の写真付きのレポートを提供させていただいています。ご家族の皆さまも元気をもらって、安心して、仕事やプライベートに集中できます。

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