今回のお悩み:高齢の親と同居するにあたって、気を付けたことがいいことや成功のコツを教えてほしい
今回届いたお悩みはこちらです。
80代の両親が住んでいる実家は、私の職場から遠いうえに、かなり古くなってきています。
両親ともにまだ元気ではありますが、様々な事情も考慮した結果、自分が独身のこともあり、そろそろ同居を始めようかと考えています。
しかし、長年別々に暮らしてきた親と同居するとなると、お互いの生活スタイルの違いや価値観の違いなどで、トラブルが起きることも心配です。
親と上手に同居するためのコツや、気を付けたほうがいいことなどがあれば、教えていただきたいです。
( 50代男性 )
近年、核家族化が進み、親子が別々に暮らす家庭が増えています。
しかし、親の高齢化に伴い、健康面や安全面を考慮して同居を検討する方も少なくありません。
今回の相談者さんのように、親との同居を考えている方にとって、お互いの生活スタイルの違いに起因するトラブルは大きな懸念事項です。
そこで今回は、高齢の親との同居における判断基準やメリット・デメリット、そして成功のコツについて、3人の専門家にお話を伺いました。
① 老年心理カウンセラー 柴田さん(55)の視点:同居の判断基準と心構え

同居を決断する前の判断基準
高齢の親との同居を考える際、まず大切なのは、いくつかの判断基準をもとに冷静に考えることです。
感情だけで決断すると、後にお互いがストレスを抱えることにもなりかねません。
最も重要な判断基準の一つは、親の自立度です。
相談者様のご両親は「まだ元気」とのことですが、具体的にどの程度自立した生活を送れているのかを見極めることが大切です。
例えば、自分で食事の準備ができるか、身の回りのことを自分でこなせるか、外出して買い物などができるかなどを確認しましょう。
次に、お互いの価値観や生活スタイルの違いをどの程度許容できるかという点も重要です。
長年別々に暮らしていると、食事の時間や睡眠のリズム、整理整頓の仕方など、様々な面で違いが生じています。
これらの違いをお互いがどれだけ受け入れられるかを事前に考えておくことが大切です。
また、住居の条件も重要な判断材料です。
プライバシーを確保できる間取りか、バリアフリー化は可能か、などを検討する必要があります。
特に、お互いの個人的な空間を確保できることは、ストレスを軽減する上で非常に重要です。
同居における心構え
同居を決断した場合、特に大切なのが心構えです。
まず、「親孝行のため」という一方的な動機だけでは、長期的な同居生活は難しいでしょう。
お互いにメリットがあり、お互いを尊重し合える関係が理想的です。
また、いきなり完全同居をするのではなく、「お試し同居」から始めることもお勧めします。
数週間から数か月程度の期間を設定し、実際に一緒に生活してみることで、予想外の問題点や課題が見えてくることがあります。
この期間中に家族で話し合い、ルールや役割分担を決めていくことが大切です。
さらに、同居後も定期的に家族会議を開き、問題点や不満を溜め込まないよう心がけましょう。
「言わなくても分かるはず」という思い込みは避け、お互いの気持ちや考えを率直に伝え合う習慣をつけることが重要です。
② 家族関係アドバイザー 佐藤さん(48)の視点:同居のメリット・デメリットと上手な同居のコツ

同居のメリット
高齢の親との同居には、様々なメリットがあります。
まず、親の健康状態や安全を直接確認できる安心感です。
遠方に住んでいると、「元気にしているだろうか」と心配になることもありますが、同居していれば日々の様子を把握でき、異変にも早く気づくことができます。
次に、経済的なメリットも考えられます。
二世帯で生活することで、家賃や光熱費などの固定費を一つにまとめることができ、全体としての経済的負担が軽減されることがあります。
また、家事の分担ができることも大きなメリットです。
親がまだ元気なうちは、料理や掃除、洗濯などの家事を分担することで、家族全員の負担が軽くなる可能性があります。
特に料理の得意な親と同居すると、忙しい現代人にとっては大きな助けになるでしょう。
さらに、孫がいる場合は、祖父母と孫の交流が深まり、情緒面での発達にプラスの影響を与えることも期待できます。
伝統や家族の歴史を直接伝えることができるのも、同居ならではの利点です。
同居のデメリット
一方で、同居にはデメリットもあります。
最も大きいのは、プライバシーの確保が難しくなる点です。
特に夫婦の時間や空間が制限されることで、ストレスが生じることがあります。
また、生活リズムや価値観の違いによる摩擦も避けられません。
例えば、テレビの音量、室温の好み、食事の好み、掃除や整理整頓の基準など、日常の様々な場面で意見の相違が生じる可能性があります。
さらに、介護が必要になった場合の負担増大も考慮すべき点です。
同居していると、必然的に介護の主担当になる可能性が高く、身体的・精神的な負担が大きくなることがあります。
上手な同居のコツ
これらのデメリットを最小限に抑え、メリットを最大化するためのコツをご紹介します。
- お互いの空間を尊重する
できれば別々の生活空間(リビングや浴室など)を確保することが理想的ですが、それが難しい場合でも、「ノックしてから入る」「個人の部屋には許可なく入らない」などの基本的なルールを設けることが大切です。 - 家事や役割分担を明確にする
「誰が何をするか」を明確にし、お互いの得意分野で貢献できるようにしましょう。曖昧な役割分担は、「自分ばかりが負担を負っている」という不満につながりやすいです。 - 経済面での取り決めを明確にする
生活費の負担割合や管理方法についても、事前に話し合っておくことが大切です。特に年金や貯蓄の扱いについては、細かく取り決めておくとトラブル防止になります。 - コミュニケーションを大切にする
日常的に会話する機会を持ち、小さな不満や要望も遠慮なく伝え合える関係を築きましょう。定期的な「家族会議」を設けるのも一つの方法です。 - 外部のサポートも活用する
すべてを家族だけで抱え込まず、必要に応じてヘルパーやデイサービスなどの外部サービスを利用することも検討しましょう。これにより、家族の負担軽減とともに、親の社会とのつながりも維持できます。
③ 二世帯住宅リフォームコンサルタント 鈴木さん(50)の視点:住環境の整備と同居スタイルの選択

同居に適した住環境の整備
同居生活を快適に送るためには、住環境の整備も非常に重要です。
特に、プライバシーの確保と安全性の両立が鍵となります。
まず検討すべきは、同居スタイルの選択です。
完全同居型(キッチン・リビングなどをすべて共用する)、部分共用型(一部の設備は共用、一部は別々に持つ)、完全分離型(玄関から分かれた二世帯住宅)など、様々な形があります。
相談者様のケースでは、ご両親がまだお元気とのことですが、将来的な介護の可能性も考慮し、どのスタイルが最適かを考える必要があります。
特に重要なのは、以下のポイントです。
- バリアフリー化
段差の解消、手すりの設置、滑りにくい床材の採用など、高齢者が安全に暮らせる環境づくりが重要です。特に浴室やトイレは事故が起きやすい場所なので、優先的に対策を講じましょう。 - 動線の確保
高齢者の生活動線をできるだけ短くし、無理なく移動できるよう配慮することが大切です。特に寝室からトイレへの動線は、夜間の事故防止のために重要です。 - 各世帯のプライバシーを確保する間取り
お互いの生活音が気にならないよう、防音対策を施したり、生活リズムの異なる家族の部屋を離して配置したりするなどの工夫が必要です。 - 将来を見据えた設計
現在は元気でも、将来的には介護が必要になる可能性も考慮し、介護スペースの確保や設備の導入がしやすい設計にしておくことが賢明です。
同居前に確認すべき住環境のチェックポイント
同居を始める前に、以下のような住環境のチェックポイントを確認しておくことをお勧めします。
- 住宅の構造上の問題(耐震性、断熱性など)
- バリアフリー化の必要性と可能性
- 部屋数と広さの十分さ
- 収納スペースの確保
- 各部屋の日当たりや風通し
- 近隣環境(医療機関、商業施設、公共交通機関などへのアクセス)
これらのポイントを事前に確認し、必要に応じてリフォームや住み替えを検討することで、快適な同居生活の基盤を整えることができます。
リフォームが難しい場合の代替案
ご実家が古くリフォームが難しい場合や、相談者様の現在の住居が手狭な場合は、新たな住居への引っ越しを検討するのも一つの選択肢です。
その際は、以下のような選択肢があります。
- 二世帯住宅の新築または購入
- 隣接する別々の住居(近居)
- マンションの隣接する部屋や同じ棟の住居(近居)
特に「近居」は、完全同居のデメリットを避けつつ、すぐに駆けつけられる安心感を得られるバランスの良い選択肢です。
相談者様の状況に応じて、最適な住まい方を検討されることをお勧めします。
まとめ
今回は、高齢の親との同居における判断基準やメリット・デメリット、そして成功のコツについて、3人の専門家の視点からご紹介しました。
同居を決断する際の判断基準や心構え、同居生活を円滑に進めるためのコミュニケーションのコツ、そして快適な同居生活のための住環境の整備について、それぞれの専門家から具体的なアドバイスをいただきました。
高齢の親との同居は、メリットとデメリットの両面があります。
大切なのは、感情だけで決断するのではなく、現実的な視点で様々な要素を検討し、お互いにとって最善の選択をすることです。
また、同居を始めた後も、定期的に家族で話し合いの場を持ち、問題点や不満を早めに解決していくことが、良好な関係を維持するカギとなります。
相談者様のケースでは、ご両親はまだお元気とのことですので、今のうちから十分に話し合い、お互いの希望や不安を共有しながら、無理のない同居のカタチを模索されることをお勧めします。
同居は決して簡単なことではありませんが、お互いを尊重し、コミュニケーションを大切にすることで、家族の絆を深める素晴らしい機会にもなるでしょう。
おわりに ~まごとも利用のすすめ

今回は、高齢の親との同居のメリット・デメリット、成功のコツなどについて、3人の専門家の視点から解説してきました。
とはいえ、デメリットを踏まえるとやはり同居は難しい、近居のほうがいいといった判断に至る場合や、同居はするが ずっと一緒の空間で生活していたら大変かもしれないと感じる場合もあると思います。
ここでは、学生が定期的に高齢者の自宅に訪問することで、同居していない方の場合は 定期的な見守りを実現することができ、また同居している方の場合は しばらくの間介護から離れる時間を作ることができる、少し変わった民間訪問サービスをご紹介します。
大学生が高齢者の自宅に訪問することで、一人暮らしの高齢者の様子を定期的に見守りつつ、日常への刺激や人とコミュニケーションする機会を提供してくれる京大発ベンチャーが開発したサービス、『まごとも』です。
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『まごとも』は、介護福祉士監修の研修を受けた若者がシニアのもとを訪問し、一緒にお出かけや、スマホやタブレットの支援など介護保険では対応できない日常生活をサポートするサービスです。
『まごとも』では、若者との交流を通して、高齢者に精神面での活力を受け取っていただき、生きる喜びや目的を見出し、積極的に行動を起こせるようになると考えます。
「まごとも」を利用されたシニアの方の中には、車椅子状態で引きこもっていた状態から自主的に歩行トレーニングを始めて、補助器なしで歩けるようになった方もいらっしゃいます。
ご家族からは、「親の日常にハリが出た」「親がポジティブになった」など、嬉しい声を数多く頂戴しています。シニアの皆さまからは、「元気がもらえた」「楽しかった。ありがとう」など心から楽しかったと思える時間を提供しています。
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