シニアの方にとって、いかにして健康を維持するかは大きな問題です。

いや、現代において健康維持は全年代に共通する課題といっても差し支えないでしょう。

執筆者も、仕事で高齢者の方々とかかわるなかで、健康についての心配はよく耳にしており、

健康の重要性をひしひしと感じています。

先日、腸内細菌や食物繊維で健康増進をする記事を公開しました。

今回も、鈴木祐 著『最高の体調』の内容を拝借して、執筆者の実体験も交えながら、

シニアの方でも実践しやすい環境を変える健康増進法について紹介していきます!

ぜひ最後までご覧ください!

これだけで変化が!? 驚くべき「環境」の力

まず初めに、生活における環境の重要性についてお話しします。

環境とは普段どのようなものに囲まれて生活しているか、ということで、

自分の置かれている環境によって、行動様式が全く違うことが明らかになっています。

2016年にGoogleが行った実験で、環境の力がよく表れたものがあります。

この実験では、Googleのオフィスにナッツやチョコが食べられるスナック置き場を起点に、

異なる距離の二か所にドリンクバーを設置します。

1つはスナック置き場から1.8メートルの位置に、

もう1つはスナック置き場から5.5メートルの位置です。

その後、従業員約400名の行動を調査したところ、

ドリンクバーの位置によって従業員の行動に明らかな変化が現れました。

スナック置き場から近いドリンクバーを使った人は、

遠いドリンクバーを使った人と比べて69%もお菓子を食べる割合が大きかったのです。

研究チームの計算では、体重81㎏の男性が毎日3回ずつドリンクを飲んだ場合には、

1年で体重が1.1㎏も増えてしまうといいます。

たった数メートルの差が無駄な食事を促し、

長期的には大きな肥満をもたらしてしまう可能性があるということです。

ほかにもGoogleは環境に関する興味深い実験を複数おこなっており、

サラダバーが社員食堂の入り口付近にあると野菜の摂取量が増加すること、

デザートの小皿が小さいと食べ過ぎを防ぐことなどを実証しています。

これら実験からわかるように、環境には大きな力があります。

ついついコンビニによっていろいろ買ってしまうのは、

コンビニがふらっと気軽に立ち寄れる場所にあるからです。

いくらコンビニのようにいろいろなものがそろっているお店でも、

片道で何十分もかかるような場所にあっては行く気は起こりません。

裏を返せば、健康に悪い行動を誘発する環境を排除し、

健康的な行動を誘発する環境を意識的にデザインしていけば、

より健康によい生活を送ることができるということです。

本書で著者は、現代人にとって影響が大きい環境は、

「自然」と「孤独」です。

自然から切り離された現代都市

かつて狩猟採集が人類の生きる術であったころ、

人類は自然と常に接して生活していました。

動物を狩るにも、農耕をするに、自然環境とのかかわりは切っても切れません。

人類はそんな生活を数百万年と続けてきたのです。

また、それと同時に人類は自然豊かな環境に適応した体の構造に進化してきました。

しかし、この数百年で人類を取り巻く環境は大幅に変化しました。

森や山を切り開き、都市では建造物が急増して自然が激減しました。

それまで自然が当たり前の生活を数百万年と続けてきた人類にとって、

現代の自然が少ない環境は極めて異例の事態です。

環境の変化に対して身体が悲鳴を上げるのも無理からぬ話です。

ダービー大学が行った実験で、

871人を対象に自然がどれだけ健康に影響するか調査したものがあります。

その結果は、

「自然とのかかわりで人のリラックス効果を高める副交感神経が活性化する」というものでした。

副交感神経は疲れやダメージを回復させる効果があります。

現代では興奮を掻き立てられる娯楽や、

不安をあおるメディア、仕事などのストレスによって、

リラックスする時間が減り、副交感神経がうまく作用していないようです。

つまり、現代は疲労やダメージが回復しにくい環境にあるということです。

地縁が失われつつあることによる孤独

現代では孤独も重大な問題です。

かつての人類において、孤独は存在しませんでした。

狩猟採集を生業としていた時代、

人類は地縁的に結びついた数十人が共同体を形成し、

共同生活を営んでいました。

それもそのはず、狩りに行くにしても集団で行ったほうが成果を上げやすく、

出産や育児は狩りに出る夫を待つ母親1人の手におえるものではありません。

つまり、近くにいる者同士で助け合わなければ、生きていけなかったのです。

同じ共同体の間では全員が知り合いや友人であり、

一生をその共同体の中で終えることがほとんどであったので、

生涯を通して友人知人に囲まれ、孤独を感じることはありませんでした。

しかし、現代を見てみると、

小中学校、高校、大学を通して関わる友人は限られてきますし、

社会人になってからずっと関わり続ける友人知人は極めて少ないです。

関わる友人知人はいるにしても、毎日を共に過ごす友人がいる人も稀でしょう。

さらには、生涯未婚率は急激に上昇しており、

家族をもたない単身世帯も増えています。

現代において孤独は私たちのすぐそこに迫っているのです。

孤独が与える健康への影響に関しても論文があります。

ブリガムヤング大学が2010年に発表した研究で、

「孤独と健康」に関する実験で収集された31万人のデータから、

人間の寿命を延ばす効果が高い要素を抽出しました。

すると、「良好な社会関係」がずば抜けて重要であり、

孤独だった人に友人ができた場合は最大15年も寿命が延びるとのことでした。

なんとその効果はダイエットやエクササイズの約3倍、

禁煙よりも健康効果が高いのです。

また、ハーバード大学が1931年からおこなっている研究で、

10代の学生の人生をその後およそ80年かけて追跡し、

人生において最も幸福に影響を与える要素を研究しました。

その学生たちの行く末には医者や弁護士もいれば

スラム街のホームレスになった人まで様々だったようですが、

どんな人でも「良好な人間関係」がもっとも幸福に影響するようです。

つまり、家族友達がいる人が健康で幸せ、という結論が様々な研究で示唆されているのです。

さらに、このハーバード大学の研究では、

良好な人間関係を築いている人は社会的にも成功しやすく、

収入も高い傾向にあったとのことです。

古くから家族友達と仲が良いことが人間生活の土台となっているのです。

日常生活に疑似的にでも自然を取りいれる

自然とのかかわりが健康的な生活をもたらすことは先ほど述べたとおりです。

しかし、自然がどんどん失われている現代において、

どうやって生活に自然を取りいれたら良いのでしょうか。

著者が言うには、天然の自然でなくても、

人工的に作られた疑似的な自然でも十分に効果があるそうです。

スマホ、パソコンから自然を摂取する

まず手始めに勧められているのは、

スマートフォンやパソコンの待ち受け画面(壁紙)を自然の風景にすること。

スマホやパソコンを開くときに、雄大な自然が目に入るようにすれば、

自然を直接取り入れなくともある程度の効果は得られるといいます。

執筆者のパソコンのは雄大な自然の風景がランダムに表示されるのですが、

見たことのないような絶景、畏敬の念を感じざるを得ないような美麗な自然が見れて、

少し心が安らぐ感じはしなくもないです。

この本をを読んだから気持ちの問題でそう感じている、

と言われてしまってはそうなのかもしれませんが、

みなさんも「偉大な自然の前では自分の悩み事なんてちっぽけに感じられる」

「地球の長い歴史を見れば小さなことでくよくよしていても仕方がない」

このような言説を聞いたことはありませんか?

執筆者はこれらをそこまであてにしていなかったのですが、

科学的に根拠があるといわれると少し驚きました。

また、自然音を聞くことも健康にはとても良いといわれています。

現在はYouTubeなどで簡単に自然音を聞くことができます。

ASMRという、音を聞くための動画ジャンルも一時期流行になりました。

執筆者も、高校時代から勉強するときやこのブログを執筆するときに、

雨の音を聞いたり、鳥のさえずりを聞いたりしています。

この音から摂取する自然の効果は執筆者自身も身をもって痛感しています。

毎日つかう場所にささやかな観葉植物を

次に疑似的な自然を取り入れる方法として、

観葉植物を自宅や仕事場に置くというもの紹介されています。

ノルウェーで行われた実験では、

デスクの上に観葉植物を置いた従業員の主観的ストレスは小さく、

仕事を病気で休む回数も少なくなり、仕事の生産性も向上したといいます。

さらに、観葉植物が幸福度や集中力を高める効果があることも報告されています。

このように、観葉植物にはリラックス効果があることがわかります。

執筆者は大学受験の勉強をしていたとき、

塾に大きな観葉植物がありました。

執筆者は無意識のうちに観葉植物のすぐそばの席に座り、

長時間の勉強を集中して続けることができました。

観葉植物の効果は、実験で示される前から感覚的、経験的にわかっていたのかもしれません。

散歩やガーデニングで天然の自然とのかかわりを作る

疑似的な自然にも大きな効果があることは先に述べたとおりですが、

本物の自然に勝るものはありません。

現代人が山や森での生活を始めるわけにもいかないので、

日常生活のなかで無理のない範囲で自然とのかかわりをもつことが必要です。

具体的には、近所の公園などに散歩に行く、ガーデニングをしてみる、

などがあります。

ご自宅にお庭をもつ方は、ぜひお庭の手入れをしてみてはいかがでしょうか?

良好な人間関係をつくることは難しい?

先ほど孤独が健康にとって重大な問題であるとお話ししました。

では、いきなり良好な人間関係をつくろうといわれても難しいと思います。

この本の著者が言うには、

人間は新しい人間関係を作れるようにデザインされていないといいます。

それは、かつて人間が非常に狭い共同体で生活していたため、

良好な人間関係を築く相手は4~5人で十分であり、

共同体が変わることはなく、かかわる人間はずっと同じなので、

良好な関係の友人以外は知人程度の面識でも問題がなかったからだといいます。

つまり、いざとなったら助け合うことができる人が共同体の中に限定されているため、

いざというときでも顔見知り程度であれば助け合って生きていくことに支障はないのです。

例えるならば、一生を同じクラスメイトと共にする、という感じでしょうか。

特別仲が良くなくても、

緊急時に声を掛け合って助け合う程度の所作に支障はないのではないでしょうか。

しかし、現代では関わる人間はめくるめく変わっていきます。

そのなかで特別良好な人間関係を築くのは非常に難しいのです。

本の著者は、人間は5人との人間関係を維持するのが限界であるといいます。

確かに、言われてみれば生涯を通して友人関係であり続ける人というのは、

誰しも5人程度ではないでしょうか。

学生時代にコミュニケーションがとても上手だな、と感じていた人でも、

卒業後に良好な関係が継続している人は5人程度であった気がします。

言い換えれば、5人の友人を作ることができれば、

健康的な生活を営むことができるのです。

しかし、現代において生活を長期的に共にするような友人を作ることが

容易でないことは周知の事実です。

特に、仕事を勇退され、社会とのかかわりが薄くなったシニアの方にとっては、

これから新しい人間関係を自らつくることは非常に困難です。

「まごとも」で非日常的で楽しい人間関係づくり

まごとも利用の様子

そんなシニアの方にお勧めしたいのは我々のサービス「まごとも」です。

手前味噌で恐縮ですが、

「まごとも」とは、地域の大学生がシニアのみなさんのご自宅や介護事業所に赴き、

日常のお手伝いをしたり、レクリエーションをしたりして楽しい時間を提供します。

日常生活の動作が難しい方や、お部屋やお庭のお掃除なども承ります!

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お散歩で公園などに寄って、自然を摂取する健康的でちょっとした運動もできます!

お庭の自然をきれいに整え、日々に彩を加えてみるのはいかがでしょうか。

ご利用いただいたみなさまには笑顔があふれ、

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我々がこのサービス「まごとも」を運営している目的の1つは、

「学生の若さでシニアの孤独を解決したい」という思いがあります。

まもなく父の日です。

お父様、お母様に感謝の気持ちを伝える手段として、

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