「最近、認知症の親が米を炊きすぎることが増えてきたけど、大丈夫かな…」
「炊いた米が余ってしまって、どう対処すればいいのか困っている…」
こんな悩みを抱えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
実は私も3年前、同じ悩みを抱えていました。認知症になった母が毎日のようにお米を炊きすぎ、家族全員で頭を抱えていたのです。
きっと今、この記事を読んでいらっしゃる方も、同じような状況でお悩みなのではないでしょうか?
認知症の影響で 米を炊きすぎるようになってしまうのは、実はとても一般的な症状なんです。ただ、これには深い理由があり、そして何より、適切な対策を講じることで、かなりの部分で改善が可能です。
私たちの場合も、試行錯誤の末 少しずつですが状況は改善していきました。
今回は、私自身の経験と、様々な専門家の方々からいただいたアドバイスを元に、以下のポイントについてお話ししていきたいと思います:
- 認知症が原因で起こる米の炊きすぎの本当の理由
- 米の炊きすぎを防ぐための具体的な対策
- 炊きすぎた米の活用方法
- 家族間でのコミュニケーションのポイント
一つひとつ、具体的な例を交えながら、できる対策を見ていきましょう。
認知症の親が米を炊きすぎる理由
記憶の混乱
母が米を炊きすぎるようになって、最初は単なる失敗だと思っていました。
でも、ケアマネージャーさんに相談してみると、これは認知症による記憶の混乱が原因かもしれないと教えていただきました。
実際、母の場合はこのような状況でした。
- 「さっき炊いたっけ?」と何度も確認する
- 「もうすぐ家族が帰ってくるから」と、既に炊いてあるのにまた炊き始める
- 「何合入れたかしら」と、量の判断が難しくなっている
- 夕方になると特に「ご飯を用意しなければ」と不安になり、何度も台所に立つ
認知症になると、直前にしたことの記憶が曖昧になってしまうのです。
この記憶の混乱は、決して本人のせいではありません。認知症による自然な症状なのです。
私自身、これが認知症による自然な症状だと知り、少し気持ちが楽になりました。
母を責めるのではなく、どうサポートできるかを考えることが大切だと気づいたのです。
懐かしい過去の習慣
実は、米を炊きすぎてしまう背景には、もうひとつ重要な要因があります。それは「昔の習慣」です。
私の母の場合、かつては6人家族の主婦として、毎日大量の米を炊いていました。
認知症になった今でも、その時の記憶が強く残っているのです。
「家族みんなのために」という強い思いが、つい米を多めに炊いてしまう原因になっているようでした。
「昔は、みんなたくさん食べたからねぇ」
「お弁当も作らなきゃいけないし」
そんな言葉を、母はよく口にしていました。
その時の習慣が、今でも強く残っているのだと理解できました。
米を炊きすぎる際の注意点
「火の始末が心配で、夜も眠れない…」
「せっかく炊いたご飯が無駄になってしまって…」
このような不安を抱えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
実は私も同じ悩みを抱えていました。
しかし、いくつかの工夫で、かなりの部分が改善できることがわかったんです。
火災の危険を防ぐための対策
安全面は本当に心配でした。
特に母は夜中に「お米炊かなきゃ」と起き出そうとすることもあり、家族全員が不安を感じていました。
ここでは、実際に私たちが実践して効果があった、安全面に関する対策をご紹介します:
1. 調理器具の見直し
- 古い炊飯器から、自動保温・自動オフ機能付きの新しいものに変更
(ただし、認知症の症状によっては新しい器具の使い方がわからない場合があるため、そこへの配慮は必要です) - ガスコンロからIHクッキングヒーターへの切り替え(火の心配が減りました)
- 使いやすい位置に炊飯器を移動
2. 安全対策
- キッチンに火災報知器を増設
- 大きな文字で見やすいタイマーの設置
- 夜間はブレーカーを落とすことに(ケアマネージャーさんのアドバイス)
3. 環境の工夫
- 必要な道具は見やすい位置に
- シンプルな手順書を冷蔵庫に貼付
- 台所の整理整頓を心がける
特に、安全対策の機能が充実している新しい炊飯器への切り替えは、家族全員の安心感につながりました。
食材の無駄を減らす工夫
「もったいない」という気持ち、とてもよく分かります。
私の場合も、母が炊きすぎたお米をどうするか 本当に悩みました。
でも、工夫次第で無駄なく使えることがわかってきました。
1. すぐにできる保存方法
- ラップで1食分ずつ小分けにして冷凍
- 数日以内に食べきれる分は、清潔な保存容器に入れて冷蔵保存
- 日付をメモして管理
2. 翌日以降の活用法
- 朝食用のおにぎりを作っておく
- お弁当のご飯として使用
- チャーハンや雑炊、お茶漬けなどにアレンジ
3. 家族での工夫
- 週末の食事計画に組み込む
- 家族それぞれの弁当に活用
- 冷凍したご飯で時短料理
それまではあまりご飯を冷凍する習慣がなかったのですが、冷凍保存したご飯が 実は忙しい平日の食事作りの強い味方になるという新しい発見もありました。
認知症の親への適切な対処法
米の量を事前に小分けにする
これは本当におすすめの方法です!具体的にはこんな工夫をしました:
1. 準備の工夫
- 2合用の小分け袋用意し、朝のうちに1日分をセット
- 計量カップを見やすい場所に固定
2. 目印の活用
- 炊飯器の内釜に2合の線を赤テープでマーク
- 写真付きの手順表を作成
3. 環境整備
- 使わない米は別の場所に保管し、必要な分だけキッチンに置く
- 作業スペースをすっきりと
私たちの場合、100円ショップで見つけた小さな計量カップが大活躍しました。
「この赤テープの目印まででいいのよ」と祖母に伝えたところ、とても覚えやすかったようです。
調理器具の管理で安全を確保する
ある時、ケアマネージャーさんから素晴らしいアドバイスをいただきました。
「危険を引き起こす可能性があるものをむやみに取り除くのではなく、安全に使えるように環境を整えることが大切です。」
この言葉をヒントに、私たちはこんな安全対策を実施しました:
- 炊飯器の位置を家族から見えやすい場所に変更
- スイッチ類には大きな文字で説明を貼付
- よく使う道具は取りやすい位置に配置
認知症の親とのコミュニケーションの工夫
安心感を与える声かけのポイント
つい焦って「また炊きすぎたの!?」と言ってしまったことがありました。
でも 日が経つにつれて、それが母をより不安にさせてしまっていることに気づいたのです。
そこで私たちは、ここまで説明してきたような工夫をして 母に米を炊きすぎないように注意を促しつつ、同時に以下のような声かけをするようにしました:
「おいしいご飯を炊いてくれてありがとう」
「今日は一緒にお料理しようか」
「お母さんが炊いてくれるご飯、いつもおいしいわ」
「私も手伝うね」
このように前向きな声かけをすることで、祖母の表情が明るくなっていくのを感じました。
日常生活の中でのサポート方法
私たちがサポートをすることで米を炊きすぎてしまうことは減っていき、たまに炊きすぎてしまうことがあっても それを家族のために有効活用できるようになりました。
母にとっても そのような毎日の小さな成功体験が 大きな自信につながったようでした。
母との経験から学んだ、効果的なサポート方法をご紹介します:
- 決まった時間に一緒に台所に立つ
- 料理の手順を一緒に確認
- できたことを具体的に褒める
- 困ったときはさりげなくサポート
特に「一緒に」というアプローチが、とても効果的でした。
「監視されている」のではなく、「一緒に作業している」という感覚が、母の安心感につながったようです。
まとめ
母が認知症になってから、米を炊きすぎる問題は、私たち家族にとって大きな課題でした。
でも、少しずつ工夫を重ねることで、安全に、そして楽しく過ごせる方法が見つかってきました。
今でも完璧とは言えませんが、以前に比べるとずいぶん状況は改善しています。
何より、母が安心して台所に立てることが、私たちにとっての喜びとなっています。
同じような状況で悩んでいらっしゃる方は、ぜひできることから少しずつ試してみてください。
また、地域の介護支援センターやケアマネージャーさんに相談してみるのも良いと思います。私たち家族も、専門家の方々のアドバイスに救われた経験が何度もありました。
一つひとつの小さな工夫が、きっと大きな変化につながっていくはずです。
この記事が、皆さまの暮らしのヒントになれば幸いです。
おわりに ~まごとも利用のすすめ
今回の記事では、認知症になってしまった親と上手に暮らしていく方法について、特に「米を炊きすぎてしまう」という場合に絞って解説してきました。
しかし、実際にはそれ以外にも少しずつ問題が発生するようになっていき、自分一人では対応しきれない部分も出てくるのが実際のところでしょう。
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