介護をするのは、そう簡単なことではありません。いつまで続くのか、5年なのか10年なのか、もしかしたらそれ以上かもしれません。育児と違って だんだん楽になることはなくて、かえってやることは増える一方です。「もう、親の介護はしたくない!」と思うことがあっても不思議ではありません。しかし、そんな場合でも逃げ出すわけにいかないのが 介護です。
それなら、なんとかして 少しでも楽に介護をできるように工夫をしたいですね。ここでは、約10年間両親の介護をした私の経験や、まわりで介護をしている人たちの例を見て学んだことを紹介します。
介護に疲れたとき、一人でもできること

人柄の良いご両親でも、毎日介護をするとなるとお互いにわがままが出てきます。ましてや気難しい人で、自分の思い通りにしてほしいと言う父母なら、お世話をするのにとても気を遣いますね。介護をする人が、心身共に疲れてしまって 介護が嫌になってしまうようなことがないようにするためには、適度な休養と気分転換が必要です。誰かの手を借りるほどではない場合には、一人でもできることをやってみましょう。
リフレッシュの時間を作る
体が疲れたときには休むに限ります。おいしいコーヒーを入れて、15分だけでもゆったりした時間を過ごすことなら、比較的簡単にできますね。30分だけでも横になって休憩してみるというのも効果的です。
両親と同居している ある女性は、日中は両親が居間に下りてきて ずっとそこにいるので、横になることもできずに困っていました。しかし ある時から、日中は仕事に行っている娘さんの部屋を使わせてもらうことにしました。そこで午後に20~30分小休止をするようにしたところ、かなり疲れが取れました。
少しでも休めば 体が楽になり、気分的にもすっきりすることは確実ですね。
ウォーキングの勧め
私は50代で夫の両親宅の近くに引っ越し、両親の介護のために毎日両親宅に通いました。両親は決して悪い人ではありませんでした。しかし、多少認知症が入ってからは、同じことを何度も聞いてきたり、とんでもない時間に「食事を作りに来てください。」などと電話がかかってきたりするようになりました。そうなると、介護に通うのにもストレスを感じるようになりました。
たまたま、気分転換にジョギングをしている人の話を聞いて、ジョギングは無理でもウォーキングならできそうな気がしました。そこで、みんながまだ寝ていて 両親宅からも電話がかかってくるはずのない早朝に、30分間家の周りを歩くことにしました。朝早いと 静かで空気も澄んでいるので、少し歩くだけでも気分が良くなりました。ひたすら歩いていると 日中の嫌なことも忘れて、道端の草花を見たり、犬の散歩をしている人に挨拶をしたりして、とても良い気分転換になりました。
ウォーキングは、誰でもいつからでも始められて、お金もかからず、心身の健康維持にはもってこいです。
趣味の時間を作る
介護にのみ明け暮れていると、自分の楽しみを見出すのが難しくなります。これから先 介護がどのくらい続くのか分からないだけに、この状態が長く続くと介護が嫌になってしまう危険性があります。なんとかして、自分が楽しめる趣味の時間を見つけ出すことはとても重要ですね。
私の叔母は両親と同居していましたが、料理と習字のお稽古を長年続けていました。叔母は料理を作れば超一流で 家族は大満足していましたし、お習字だって誰よりも上手でしたから、どうしてまだ練習に行くのか不思議でした。後で聞いたところでは、叔母は毎日家にいて両親の介護をしていては ストレスが溜まるので、ストレス発散のために練習に行っていたとのことでした。
趣味の時間を確保することは大事なのです。
自分以外の人の手を借りる

介護といっても、初期のころは 両親もまだ自分でできることも多いため、それほど大変ではないでしょう。しかし、だんだん両親が身体的に衰え 認知機能も落ちてくると、徐々に介護の負担は大きくなっていきます。一人で介護を頑張るのには無理が生じてくることが、目に見えているのです。
そこで、介護する人が疲労困憊するのを防ぐために、その人以外に両親のお世話をする人を探したり、公的サービスを受けたりすることが必要になります。また、公的援助だけでは賄えない部分は有償のサービスを検討することも大事です。
具体的には、次のような方法があります。
家族や親族、友人などにお手伝いをお願いする
両親あるいは一人になった親の介護を 一人で全部背負うのは、無理があります。特に長期間一人で介護するとなると、介護人が体を壊したり、大きなストレスで寝込んでしまったりするといった事態に陥りかねません。
少しでも負担を軽くするには介護人の人数を増やすことが大事ですね。高齢者の方は、知らない人が家に出入りすることを嫌う傾向にあるので、まずは 息子や娘、その配偶者、親戚などの中からお手伝いしてくれそうな人にお願いしてみましょう。
ごく親しい友人でも構いません。「お手伝いしましょうか。」と言ってくれる人がいたら、遠慮なく頼みましょう。家が散らかっているのを見られるのは恥ずかしいなどということは考えないことです。両親や介護人が快適に過ごすことを第一に考えるのがいいですね。
私の友人は、高齢で二人暮らしの両親のために、娘である自分と2人の兄嫁とでローテーションを組んで、1日1回 誰かが必ず両親宅へ行って家事や買い物をしていました。都合が悪い時にはお互いに助け合って、なるべく平等に介護をして 負担が一人に集中しないようにしたので、10年ぐらいの介護を何とか乗り切ることができました。
私の両親は、自宅のそばに住んでいる私たちのほかに、他県に住んでいる義妹がいました。その義妹が 月に1回ぐらい両親宅を訪ねてくれたので、その間は私たちも安心して両親を任せることができたのでとても助かりました。
公的援助を受ける
両親の身体的な衰えや認知機能の衰えが顕著になると、介護認定を受けることができます。この介護認定が受けられると、程度に応じていろいろな公的サービスを受けることができます。
・デイサービスの利用
初期の段階では、デイサービスに行けるようになります。
デイサービスを頼むと、家まで車で迎えに来てもらえます。そこでは、お風呂に入ったり 食事をしたりすることができ、レクレーションの時間もあって6~7時間ぐらい くつろぐことができ、帰りも家まで送ってもらえます。
・ショートステイの利用
高齢者の状態によっては、数日あるいは数週間滞在できるショートステイを利用できることもあります。介護人が病気になった、仕事で出張することになったといった場合にも対応してもらえます。
・ヘルパーさんやリハビリスタッフの派遣
高齢者の方がデイサービスに行けない状態なら、ヘルパーさんやリハビリスタッフを家に派遣してもらうこともできます。食事の支度、身支度、買い物、リハビリ訓練などかなり広い範囲のサービスを受けることができるわけです。
ただし問題なのは、高齢者の方は知らないところへ行ったり、知らない人が家に来たりするのを好まないということですね。
誰が来るのか分からないデイサービスなんて行きたくないと思う気持ちは分かります。そこは、ケアマネジャーさん(介護支援専門員)に、どんなところか よく説明してもらって、デイサービスの良さや必要性を分かってもらうことが必要です。
また、長年自宅を開放したことのない人に「明日からヘルパーさんが来ます。」と言ってもそう簡単に納得できないのも もっともなことです。さらに 身内としては、「ヘルパーさんを頼んでください。」と言うと「『自分が介護をしたくないから そんなことを考えたのだろう』と思われはしないか。」と心配する人もいます。実際に両親が「ヘルパーさんなどもってのほかだ。」と決めつけて難航した例もあります。しかし、そこを何とか説得してヘルパーさんを入れないと、後で介護人が倒れてしまう危険性もあります。具体的には、実の娘や息子が両親を説得して、「介護する人が大変だから、どうしてもヘルパーさんを入れなくてはならない。」ということを理解してもらうのが一番だと思います。
私の場合は、ヘルパーさんを入れてほしいと頼みたいと思いつつ、なかなか話が進まない状態でした。そんなとき、私が背骨を傷めてしまって、お医者さんから「重い物を持ってはいけない。」と言われてしまいました。そこで、私が父に「お医者さんに止められたので 力仕事は無理になりましたから、ヘルパーさんを入れてください。」と頼んだところ、ようやく承諾してもらえました。ヘルパーさんに来てもらうと、とても親切な人で、本当に助かりました。両親も案外気に入ったようでした。こんなことなら、もっと早くからヘルパーさんを入れておけば、私が背骨を傷めることもなかったかもしれないと思った次第でした。
公的援助が無理な部分は有償サービスを頼む
公的援助を頼むには介護認定を受けなくてはなりません。そのためには、病院で身体的な衰えや知的衰えを診断してもらって 認定を受けなければなりません。また、介護認定が認められても、受けられるサービスはその人の体のケアや 食事やそれに必要な買い物といった限られた分野だけになります。ヘルパーさんが来てくれると、食事作り、買い物、トイレやお風呂の掃除、病院への付き添いなどはしてもらえますが、高齢者の話し相手や庭の手入れなどをお願いすることはできないのです。
公的サービスがない分野については、民間の有償サービスを利用することができます。実はこれもとても大事なことで、高齢者の方が生き生きとした生活を続けるためには、必要なサービスなのですね。
ある老婦人は息子さんと二人暮らしでした。腰が悪くてちょっとした荷物も運べないので、買い物や掃除などは介護ヘルパーさんにお願いしていました。この人の趣味はガーデニングでしたが、フルタイムで働いている息子さんは忙しくて、とても庭仕事を手伝うことはできませんでした。でも、きれいな花を育てて眺めることは、この女性の心豊かな生活にはとても重要だったのです。介護保険適応のヘルパーさんに、ガーデニングの手伝いをお願いすることはできないことが分かり、この婦人は民間のヘルパーさんを頼むことにしました。民間のヘルパーさんなら、重い土や肥料を運んだり、草むしりをしたり、枝の剪定も頼めるので、彼女は本当に助かると話していました。
高齢者の方々のこうしたニーズに応えるサービスの一つが、「まごとも」です。「まごとも」では、東京都、京都府、大阪府を中心に、青年たちが、高齢者の方々に外出、お話し相手、暮らしのお手伝いなどのサービスを提供しています。介護保険では対応できない分野のサービスを積極的に行っています。家族では対応しきれないところは、「まごとも」の若い力を借りるのもいいかもしれません。
まとめ
親の介護をしたくないと感じたら、
- リフレッシュの時間を取る。
- ウォーキング、趣味の時間などで気分転換をする。
- 家族親族にお手伝いを頼み、公的援助をお願いする。
- 公的援助ではカバーできない部分は民間のサービスを使う。
色々な援助を受けながら、少しでも快適な介護を続けていきたいですね。
おわりに

本記事の中では、介護において 公的援助の対象でない部分についても人の手を借りたいときに使えるサービスの一つとして『まごとも』をご紹介しました。
あなたが家庭や仕事と 親の介護を両立し、親孝行を実現できるようにするのが、京大発ベンチャーが開発したサービス『まごとも』です。
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『まごとも』は、介護福祉士監修の研修を受けた若者がシニアのもとを訪問し、一緒にお出かけや、スマホやタブレットの支援など介護保険では対応できない日常生活をサポートするサービスです。
『まごとも』では、若者との交流を通して、高齢者に精神面での活力を受け取っていただき、生きる喜びや目的を見出し、積極的に行動を起こせるようになると考えます。
「まごとも」を利用されたシニアの方の中には、車椅子状態で引きこもっていた状態から自主的に歩行トレーニングを始めて、補助器なしで歩けるようになった方もいらっしゃいます。
ご家族にとっても、介護をすることは肉体・精神的にも負担が大きく、仕事との両立が難しいため、慢性的な疲労やストレスが蓄積します。
しかしながら、「親孝行したいときに親はいない」というように、親孝行をするために残された時間は限られています。
ご家族からは、「親の日常にハリが出た」「親がポジティブになった」など、嬉しい声を数多く頂戴しています。シニアの皆さまからは、「元気がもらえた」「楽しかった。ありがとう」など心から楽しかったと思える時間を提供しています。
また、業務終了後に笑顔の写真付きのレポートを提供させていただいています。
ご家族の皆さまも元気をもらって、安心して、仕事やプライベートに集中できます。
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