親の老いを目の当たりにすることは、誰にとっても心に重くのしかかる経験です。
かつては頼もしく、どんなことでも助けてもらった親ですが、徐々に弱っていきいずれ自分たちがサポート側に回らなければなりません。
そうした中で私たちは親にどんなことをしてあげられるでしょうか。
今回は、高齢の親が心身ともに元気に、そして充実した日々を過ごせるようサポートする方法を具体例とともに5つご紹介します。
難しい専門知識は必要としません。
どれか一つでもいいので少しずつ始めてみると、親の笑顔が見られる機会もぐんと増えるでしょう。

親に元気で楽しい日常を過ごしてもらうためにできる5つのこと

世代間交流の機会を作る

  • 孫との定期的な交流の機会を作る
  • 家族行事を大切にし、親を中心にした集まりを企画する
  • ボランティア活動などでの地域の若者との交流の機会を作る

世代間交流の機会を設けることは高齢者にとって大きなメリットがあります。
若者との交流によって高齢者には足りていない元気さやエネルギーを分かち合うことができ、心にハリが生まれます。
社会的交流による脳の活性化や孤独感の軽減から、高齢者のうつ傾向の軽減と認知機能の維持に効果があるとする研究も多くあります。

デジタルスキルを共に学ぶ

  • スマートフォンやタブレットの基本操作を丁寧に教える
  • ビデオ通話アプリの使い方を教え、遠方の家族や友人との交流を促す
  • 興味のある分野のオンライン講座やバーチャルツアーを一緒に体験する

デジタル機器の使い方を学ぶことは、高齢者の世界を大きく広げます。特に外出が難しくなってきた親にとって、オンラインでのコミュニケーションは新しい窓を開くようなものです。

スマホやタブレットを使えるようになると、遠くに住む家族や友人と顔を見ながら話せるようになり、孤独感が大幅に減ります。
また、興味のある物事について自分で調べることができるので、新しいことを学ぶことが脳にとって良い刺激となり、認知機能の維持にも役立ちます。
新しい技術に触れることで「私にもできる」という自信が生まれ、日々の生活に新たな楽しみや目標が増えていくでしょう。

適度な運動習慣をサポートする 

  • 一緒に散歩や軽いストレッチを行う習慣を作る
  • シニア向けの体操教室や水中ウォーキングなどの情報を集める
  • 季節の変化を感じられる外出先を選び、自然の中での活動を促す

適度な運動には、高齢者の体、心の両方によい影響が期待できます。
少しでもいいので体を動かすことが気分転換やストレス解消につながります。

週に2〜3回、30分程度の軽い運動を続けるだけで、記憶力や集中力が改善し、認知症のリスクも下がることが分かっています。
また、運動は良質な睡眠を促すため、寝つきが悪いと悩む方にはうってつけです。
免疫力も高めるので、風邪などの病気にもかかりにくくなります。

「教える側」になる機会を創出する 

  • 親の得意分野や経験を活かせる場を見つける(料理教室、伝統工芸など)
  • 地域のボランティア活動や学校行事での知識共有の機会を探す
  • 家族内で「〇〇の先生」として役割を与える

高齢者が自分の知識や経験を誰かに教える立場になると、驚くほど生き生きとしてきます。
これは単なる気のせいではなく、「自分はまだ役に立てる」という実感が自己肯定感を高め、心と体の健康につながるからです。

教えるという行為は、記憶を整理して言葉にする必要があるため、脳の多くの部分を使います。
これが認知機能の維持・向上に効果的で、実際に「教える活動」に参加している高齢者は、そうでない人より認知症の発症率が低いというデータもあります。

また、若い世代に自分の知恵を伝えることで世代間のつながりが生まれ、社会的な孤立感も減少します。
人の役に立つことが高齢者の生きる意欲につながり、日々の生活がより生き生きしたものになります。

食事の質と楽しさを重視する

  • 栄養バランスの良い食事を一緒に計画・準備する
  • 思い出の料理や季節の食材を取り入れた食事会を開く
  • 「誰かと食べる」機会を増やす工夫をする(友人を招く、食事会を企画するなど)

食事は栄養を摂るだけでなく、コミュニケーションや楽しみの源でもあります。
特に高齢者にとって、誰かと一緒に食べる「共食」は心と体の健康に大きく影響します。
体が不自由になりつつある高齢者にとって、食事とは貴重な楽しみの内の一つなのです。

研究によると、一人で食べることが多い高齢者は食欲が落ちて栄養バランスも偏りがちですが、家族や友人と食事をする機会が増えると、自然と食事量が増え、栄養状態も改善します。
会話を楽しみながら食べることで、食事がより美味しく感じられるという効果もあります。

また、食事中の会話は脳を活性化させ、認知機能の維持にも一役買います。
特に思い出の料理や季節の食材を囲むことで、記憶が刺激され、自然と会話が弾みます。

まとめ:大切なのは少しづつでもはじめてみること

親の老いは避けられない現実ですが、その過程をより豊かで充実したものにするための選択肢は数多くあります。
ここでご紹介した5つの方法は、すべて「人とのつながり」「役割の創出」「心身の健康維持」という共通の目標を持っています。
どの方法も、一朝一夕に大きな変化をもたらすものではないかもしれません。
しかし、日々の小さな心がけや工夫の積み重ねが、高齢の親の生活の質を大きく向上させることは間違いありません。
最も大切なのは、親を「支援する対象」としてだけでなく、一人の尊厳ある個人として尊重し、その自立と自己決定を支えることです。

親の老いを見るのは確かに悲しいことかもしれません。
しかし、その悲しみを抱えながらも、共に過ごす時間をより豊かにするための方法は無数にあります。
この記事がその一助となれば幸いです。

機会創出のむずかしさ ~まごともの紹介~

ここまで高齢になった親に対して私たちができることを紹介してきましたが、なかなかそれを実行するには難しい環境にある方も少なくはないでしょう。

内閣府の調査では、

65歳以上の一人暮らしの者は男女ともに増加傾向にあり、昭和55年には65歳以上の男女それぞれの人口に占める割合は男性4.3%、女性11.2%であったが、令和2年には男性15.0%、女性22.1%となり、令和32年には男性26.1%、女性29.3%となると見込まれている(内閣府 国勢調査)

このようにあり、親が一人暮らしをして居たり、距離が離れていて直接かかわることが難しい人が多いのが現実です。
そのような方にとっては今回の記事で紹介した方法はなかなか実行に移しにくいと思います。

そうした方にお勧めなのが、大学生が高齢者の自宅に訪問することで、一人暮らしの高齢者の様子を定期的に見守りつつ 日常への刺激や人とコミュニケーションする機会を提供してくれる京大発ベンチャーが開発したサービス、『まごとも』です。
まごともの利用によって、なかなか機会創出が難しい、「若者と高齢者の世代間交流」がより身近になります。
また、高齢者にデジタル機器の使い方を教えたり、一緒に散歩や食事をしたりするなど、介護保険サービスでは手が届かない部分も「まごとも」なら可能です。

まごとものサービス利用によって高齢者の生活に楽しみが生まれ、充実した日々が送れるようになった例をご紹介します。

70代後半 Fさん(男)のまごとも利用例

Fさんはアウトドアやスキーが趣味で、体が自由に動いているうちは毎週末夏は山登り、冬はスキーに行くほどでしたが、数年前から体の一部を自由に動かせなくなってしまい、今までのように趣味に勤しめなくなってしまいました。楽しみもなく家の中でぼんやりと過ごす日々に変化がほしくてまごともを利用し始めました。

まごともの週一回の利用では、スマホの使い方を伝えたり、一緒に外へ1時間くらいのゆっくりしたウォーキングに行ったりしています。スマホのヘルスケアアプリの使い方を教えて、一緒にスマホをもってウォーキングに行き、歩いた歩数や距離を確認するのが一つの楽しみになっています。ウォーキング中にも大学のサークルでやっている競技の話をしたり、スキー旅行の思い出を聞かせてもらったりと、様々な会話を交えながら楽しく交流しています。

できなくなってしまった趣味への哀愁が強く、初めは利用時間中も寂しそうな様子でしたが、利用を重ねるごとに今では笑顔が見られるようになり、毎週のまごとも利用時間を楽しみにしてくれています。

まごともについて

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『まごとも』は、介護福祉士監修の研修を受けた若者がシニアのもとを訪問し、一緒にお出かけや、スマホやタブレットの支援など介護保険では対応できない日常生活をサポートするサービスです。

『まごとも』では、若者との交流を通して、高齢者に精神面での活力を受け取っていただき、生きる喜びや目的を見出し、積極的に行動を起こせるようになると考えます。
「まごとも」を利用されたシニアの方の中には、車椅子状態で引きこもっていた状態から自主的に歩行トレーニングを始めて、補助器なしで歩けるようになった方もいらっしゃいます。

ご家族からは、「親の日常にハリが出た」「親がポジティブになった」など、嬉しい声を数多く頂戴しています。シニアの皆さまからは、「元気がもらえた」「楽しかった。ありがとう」など心から楽しかったと思える時間を提供しています。

また、業務終了後に笑顔の写真付きのレポートを提供させていただいています。ご家族の皆さまも元気をもらって、安心して、仕事やプライベートに集中できます。

「まごとも」によって、介護によるストレスを減らして、すぐに始めることができる親孝行をしてみませんか?
詳しくは、以下の公式LINEから詳細の情報をご覧ください。

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